1986 Fiscal Year Annual Research Report
実験的自己免疫性胃炎の発症機序に関する免疫細胞学的研究
Project/Area Number |
61480137
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 徹 京大, 医学部, 助教授 (00027319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西塚 泰章 愛知県立がんセンター, 所長 (60073095)
森下 玲児 京都大学, 医学部, 講師 (60027464)
栗林 景容 京都大学, 医学部, 助手 (10064578)
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Keywords | 自己免疫 / 胃炎 / 遅延型過敏症 / T細胞 / B細胞 |
Research Abstract |
生直後胸腺摘出を受けたBAL B/Cマウスが生育後発症する自己免疫性胃炎について、1.胃炎症局所に浸潤したリンパ球サブセットを蛍光抗体 染色し、cytofluorometerによって解析した結果、抗胃壁細胞自己抗体の発現する1〜1.5月令(炎症初期)にはまずT細胞が主として浸潤し、6〜12月令に達すると次第にB細胞も出現してくること、及び、T細胞にはLy-【1^+】及びLy+【23^+】サブセットが含まれることを明らかにした。2.一旦自己抗体を発現したBALB/Cマウスの脾細胞をBALB/Cヌードマウスに移入すると1〜2か月後100%の頻度で、同様の自己免疫性胃炎が発症してくる。即ち脾細胞中には胃炎を誘起する効果細胞が含まれること、しかしながら自己抗体を含む血清の移入では胃炎は誘起されない事を見出した。効果細胞がLy+【1^+】T細胞であることは従来の研究から明らかにされている。3.胃炎発症ヌードマウス足蹠部に正常マウス胃より採取した胃壁細胞を皮内注射すると典型的な遅延型過敏症を誘起すること、主細胞を多く含む胃細胞ではこれが誘起されないこと、を明らかにした。この事実は、主として胃壁細胞によって感作され活性化されたT細胞が胃炎発症マウスには存在し、それによって引き起こされる遅延型過敏症が胃炎局所の組織傷害の原因の一つとなっていることを示唆している。4.自己抗体やT細胞を活性化する胃壁細胞抗原には種特異性がなく、マウス由来自己抗体はヒトやウシの胃壁細胞とも反応すること、及び抗原物質は分子量5〜6万のマイクロゾーム分画に含まれる蛋白質である可能性のあることを見出した。抗胃壁細胞自己抗体産生ハイブリドーマを確立し、それを用いて更なる解析を進めている。
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Research Products
(1 results)