1986 Fiscal Year Annual Research Report
腸管感染原因菌の産生する蛋白性致死毒の比較態学的研究
Project/Area Number |
61480148
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三輪谷 俊夫 阪大, 微生物病研究所, 教授 (60029759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 美知子 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10127178)
余 明順 大阪大学, 微物病研究所, 助手 (70093482)
辻 孝雄 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (60171998)
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Keywords | 志賀毒素 / 耐熱性溶血毒 / 赤痢菌 / 大腸菌 / 腸炎ビブリオ |
Research Abstract |
1.赤痢菌の産生する致死毒である志賀毒素のELISA法による検出法を確立した。この検出法を用い旅行者下痢症由来の大腸菌による志賀毒素の産生性をしらべた。頻度は1%以下と低かったが志賀毒素を産生する大腸菌が検出できた。これらの株から毒素を精製したところ、Aサブユニットにニックが入っているものと入っていない2種類の毒素が精製できた。両毒素の生物活性は同一であり、コレラ毒素などと異なりAサブユニットのニッキングは生物活性に関係ないことが分った。 2.腸炎ビブリオの耐熱性浣血毒(Vp-TDH)に類似する毒素がナグビプリオおよびVibrio hollisaeによって産生されていることを見い出しそれぞれをNAG-rTDHおよびVp-rTDHとして精製した。その結果、それぞれ免疫学的に類似しているが互いに一部異なっていた。NAG-rTDHはVp-TDHと血球感受性から見た生物活性は類似していたが、Vh-rTDHのそれは明らかに異なっていた。また、NAG-rTDHとVp-TDHは100℃で10分の加熱に耐える耐熱性であったが、Vh-rTDHは60℃で10分の加熱で失活し易熱性であった。このように、この3者の毒素は免疫〓的に類似するものの明らかに異なる物理的、生物学的性状を有していた。この差がいかなる構造に由来するのかを明らかにするため、現在それぞれの毒素のアミノ酸一次構造を決定中である。 3.腸炎ビブリオの変異株を作成し、Vp-TDHでありながら生物活性を失った変異毒素の作成を試みた。その結果、生物活性は天然のVp-TDHの約5%しか残存していない変異TDHを分離することができた。現在構造決定中であり、どの部位が毒素活性発現に重要であるか解析中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yoh,M: 52. 319-322 (1986)
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[Publications] Honda,T.: Canadion Tournal of Microh.ology. 32. 71-73 (1986)
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[Publications] Yutsudo,T.: Microhielogy and Zumwrology.30. 1115-1127 (1956)
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[Publications] Yoh,M.: Canadian Torrnal of microh.ology. 32. 632-636 (1986)
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[Publications] Kongmuang,U.: Jonrnal of Clinical Microbiology. 25. 115-118 (1987)