1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480153
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
神田 忠仁 国立予防衛生研究所, 腸内ウイルス部, 主任研究官 (60134615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古野 明美 国立予防衛生研究所, 腸内ウイルス部, 主任研究官 (40100094)
吉池 邦人 国立予防衛生研究所, 腸内ウイルス部, 室長 (90072925)
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Keywords | 向Bリンパ球パポーバウイルス / 宿主域 |
Research Abstract |
向Bリンパ球パポーバウイルス(LPV)の宿主域はせまく,増殖中のBリンパ球でしかふえられない. 一般に宿主域の決定はウイルス粒子の細胞への吸着,侵入の段階,およびウイルス遺伝子発現の段階でおこると考えられているが,LPV宿主域はどのようにして決められるのか解折している. LPV変異株で,Tリンパ球でふえられるものが得られたので,野生型と比較解折した. 組換えウイルスをいろいろつくり,それらの宿主域の解折から,VPー1遺伝子を含む領域の変異が宿主域にかかわることがわかったので,さらにDNA塩基配列を比較した. その結果VPー1のアミノ酸のうち,3ケの変化で宿主域の変化がおこったことがわかった. 3ケのアミノ酸の変化により細胞リセプターとの対応が大きく変ったのは興味深い. 今後はアミノ酸変化による粒子構造の変化と細胞リセプターの関係を調べる必要がある. 一方LPVエンハンサーの方はリンパ球特異的に働く,つまりBリンパ球,Tリンパ球の区別をしないことがわかった. そこでエンハンサーの中の特定の信号を探している. しかしエンハンサーの効果については, むしろSV140の方が宿主域が広く,遺伝子産物の解析に適しているので,こうした発現ベクターをつくり検討している.
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