1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480157
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村松 繁 京大, 理学部, 助教授 (30025291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 カヨ 京都大学, 理学部, 助手 (00115792)
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Keywords | アクセサリー細胞 / 抗原提示細胞 / A細胞 / マクロファージ / 樹状細胞 / T細胞増殖 / インターロイキン1 / コンカナバリンA |
Research Abstract |
今年度は、免疫記憶T細胞の抗原特異的増殖応答と、マイトゲンの一つであるCon【A_(12)】よるT細胞の抗原非特異的増殖応答におけるアクセサリー細胞(A細胞)の実体と役割について検討した。前者においては、一般にマクロファージ(Mφ)が抗原提示性A細胞であると考えられており、事実、これまでの方法でT細胞を調整した場合には、Mφと抗原の存在下で増殖を開始する。しかし、T細胞を更に精製して調製し、ごくわずかに混在するIa陽性細胞を除くと、MφによるT細胞増殖誘起は認められなくなることから、Mφは自律的A細胞でないことがわかった。種々検討の結果、A細胞の実体は樹状細胞(DC)であり、MφはDCが少数のためにT細胞応答が低い場合に、Mφ由来のインターロイキン1(IL1)の作用によって応答を高めるように働き、一方、DCが多数あったり、少数のDCとMφの協同作用によってT細胞増殖がすでに高いときには、それに更に加えられたMφは増殖を抑制するように作用するので、MφはA細胞そのものではないが、免疫応答の重要な調節細胞であることが明確になった。 ConAに対する非特異的T細胞増殖応答においてもA細胞の存在は必須であるが、この場合には抗原特異的応答とは異なり、DCもMφもA細胞になり得る。ただし、その活性はDCの方が著しく高い。MφのA細胞活性はMφ由来のIL1によって代替可能である。しかし、その代替効果はMφのA細胞活性のレベルにとどまり、DCの高いA細胞活性を代替できないので、DCの作用はMφと異った面をもっていることが推察される。このことは、DCとMφをパラホルムアルテヒドで固定した場合に明らかである。すなわち固定によって、DCのA細胞活性は残存するのに対し、Mφのそれは完全に消失してしまう。 今後の問題は、上述のA細胞の作用機構を更に分子論的に検討することである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kayo Inaba: Journal of Experimental Medicine. 163. 1030-1035 (1986)
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[Publications] Shin Komatsubara: Scandinavian Journal of Immunology. 24. 517-525 (1986)
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[Publications] Shin Komatsubara: Mechanisms of Ageing and Development. 37. 163-173 (1986)
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[Publications] Jun Kawai: Cellular Immunology. (1987)
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[Publications] Yoshitaka Hirayama: Immunology.
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[Publications] Kazuko Uno: Cancer Research.