1988 Fiscal Year Annual Research Report
環境要因による遺伝性高発がん疾患群の生体影響に関する研究
Project/Area Number |
61480169
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
日暮 眞 東京大学, 医学部, 教授 (00010223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織田 正昭 東京大学, 医学部, 助手 (20160872)
飯島 純夫 山梨医科大学, 医学部:助教授 (70114361)
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Keywords | 遺伝性高発がん疾患 / 結節性硬化症 / 姉妹染色分体交換 / 放射線感受性 / ダウン症候群 / 健康管理 / 包括医療 |
Research Abstract |
先天異常、悪性腫瘍、加令、免疫異常の相関を解明してゆくことは、基礎医学ならびに臨床医学の重要な課題の一つといえる。染色体異常はそれ自体量的に把握することのできる遺伝物質の変化であり、発がん機構とも関連が深い。本年はともに悪性腫瘍のハイリスク疾患である常染色体優性遺伝病の一つである結節性硬化症の患児より得たリンパ球ならびに皮膚センイ芽細胞を培養し、γ線による誘発SCEならびに染色体異常の検討を行った。対象数は正常対照を含め各4例ずつである。まず、リンパ球における検討では、γ線照射誘発SCEはとくに正常対照との間に有意差を認めなかった。染色体構造異常は400rad照射で高い傾向が認められた。培養皮膚センイ芽細胞における誘発SCEの検討では、結節性硬化症群では正常対照との間に有意差を認められなかった。 このほか、性染色体異常で悪性腫瘍の好発疾患といわれているクラインフェルター症候群患児群ならびに猫鳴き症候群患児より得たリンパ球に関して、同様の検討を実施中である。 さらに、本年度は最終年度ということで、遺伝性高発がん疾患の代表であるダウン症候群患児を中心とした健康管理プログラムの試案提示、遺伝性疾患の包括医療に関しても報告をまとめた。
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[Publications] Iijima,S;et al.: Jph.J.Human Genet.33. 349-353 (1988)
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[Publications] Higurashi,M;et al.: Yamanashi Med.J.3. 131-135 (1988)
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[Publications] Ohzeki,T;et al.: Am.J.Med.84. 792-793 (1988)
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[Publications] 日暮眞 他: 周産期医学. 18. 141-145 (1988)
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[Publications] 日暮眞: からだの科学. 39-43 (1988)
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[Publications] 日暮眞: 日本医事新報. 3349. 128-129 (1988)