1986 Fiscal Year Annual Research Report
肝硬変・肝癌患者体液中にみられる複合糖質糖部分の構造変異性
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61480192
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
田岡 賢雄 産業医大, 医学部, 教授 (30122849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松隈 秀峻 産業医科大学, 医学部内科, 学内講師
増田 博 産業医科大学, 医学部内科, 学内講師
森田 翼 産業医科大学, 医学部内科, 講師
龍田 恵美子 産業医科大学, 医学部内科, 講師
尾関 恒雄 産業医科大学, 医学部内科, 助教授
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Keywords | 複合糖質 / 糖蛋白質 / 酸性ムコ多糖 / 【α_1】-酸性糖蛋白 / ハプトグロビン / 肝硬変 / 肝癌 / 構造変異性 |
Research Abstract |
我々は肝硬変や肝癌患者における血清糖タンパク(以下S-GP)を主にした体液中複合糖質について糖タンパクの糖鎖構造の研究を中心にその抽出単離を行い、今日、その構造が比較的よく解明されており癌との関係も論ぜられている【α_1】酸性糖タンパク(【α_1】-AGP)についてその単離抽出と健常例と比較しての肝硬変肝癌例におけるその糖鎖を構成する単糖成分と連鎖形式についてしらべ、これら疾患における構造変異性microheterogeneityの確認を目的として以下の研究を行っている。血漿【α_1】酸性糖タンパク(【α_1】-AGP)の単離抽出については以下の方法によった。すなわち、ヒト血清5mlに5倍容の水を加え1N酢酸でpH4.9に合わせる。ついで全体を酢酸緩衝液(pH4.9 【Na^+】0.02M)で平衝化したDEAE-セルロースカラムにつける。次に酢酸緩衝液(pH4.0 【Na^+】0.05M)で溶出した後酢酸緩衝液(pH4.0 【Na^+】0.1M)で溶出される画分を得る。得られた画分を酢酸緩衝液(pH4.9 【Na^+】0.02M)に対し透析し、同じ緩衝液で平衝化したCM-セルロースカラムにかけて【α_1】-AGP分画を得る。得られた画分を水に対し透析後、凍結乾燥する。以上の方法により血清5mlよりおよそ4mgの【α_1】-AGPを単離抽出することが可能なったがこのようにして純化され採取された【α_1】-AGPについて単位蛋白量当りの構成蛋白結合糖質(ヘキソース,ヘキソサミン,シアル酸,フコース)成分を定量的に測定し、ヘキソースとヘキソサミンについてはガスクロを用いてさらにその構成糖質の分析を行った。【α_1】-AGPの構成単糖のガスクロマトグラフィーによる解析ではAlditol acetate化法により測定機器は教室の島津GC-6AMを使用した。さらに現在、高速液体クロマトグラフによる解析を施行であるが、本法では、加水分解試料をIMP(Ion moderated partition)カラム(300mm×7.8mm)に注入し、溶出剤を水とし、85℃、0.6ml/minで展開する。検出器にはレフラクトメーターを用いる。測定機器は教室の日立高速液体クロマトグラフ638を用いる。
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[Publications] TAOKA,Y: Journal of UOEH. 4. 139-156 (1982)
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[Publications] TAOKA,Y: Falk Symosium 34. 646 (1982)
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[Publications] 田岡賢雄: 臨床病理. 54. 1-25 (1983)
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[Publications] 田岡賢雄: medicina. 20. 1510-1515 (1983)
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[Publications] TAOKA,Y: The 8th World Congresses of Gastroenterology,Sa【o!〜】 Paulo Brazil. (1986)
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[Publications] TAOKA,Y: International Association for the Study of the Liver 1986,Caracas,Benezuela. (1986)