1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480195
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
佐々木 孝夫 鳥取大, 医学部, 教授 (10004631)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 行雄 鳥取大学, 医学部付属病院, 助手 (90135880)
引田 亨 鳥取大学, 医学部, 講師 (70093622)
石飛 和幸 鳥取大学, 医学部, 助教授 (20032336)
|
Keywords | 甲状腺ホルモン / 日内リズム / 気管支筋収縮 / 呼吸機能 |
Research Abstract |
本年度は、甲状腺ホルモン急性・慢性負荷基礎動物実験と甲状腺機能失調者呼吸調節臨床実験の2項目を計画した。基礎動物実験では、計画のイヌをHartley系雄モルモットに変更し、呼吸調節に重要な役割をはたす気管狭窄に対し、まず卵白アルブミンで感作したモルモットに甲状腺ホルモン慢性負荷を行い、卵白アルブミン刺激気管支筋収縮反応を対照と比較検討した。その結果、甲状腺機能亢進モルモットでは、収縮のピークに達する時間が対照の2.9±1.6分より6.8±4.7分と有意に延長し、最大収縮の1/2に弛緩する時間が対照の20.7±21.8分より64.1±29.6分と有意に延長することを観察した。すなわち、甲状腺機能亢進状態では、末梢神経を介する異常呼吸の発生が強く示唆された。(昭和62年4月6日第27回日本胸部疾患学会総会一般演題197感作モルモットにおける甲状腺ホルモンの影響発表予定)。臨床実験では、甲状腺機能失調者の呼吸調節検討の基礎資料とするすでに異常呼吸を呈している各種肺疾患における甲状腺ホルモンと末梢レベルでの呼吸機能それぞれの日内変動について検討した。健常者では、一秒量などの動的排気量変化の日内リズムと【T_3】の日内リズムは時相が一致した。この点は気管支喘息群でも同様であった。一方、気道系以外の他肺疾患では、T3の日内リズムと動的排気量変化の日内リズムが逆転するなどリズムは一定していない。しかし、日内変動の巾は、気管支喘息で健常者および他肺疾患の約3倍となり、しかも、その変動に対する日内リズムの寄与率は20%と健常者、他肺疾患の1%以下を大巾に越えている。したがって、気管支喘息での末梢レベル呼吸調節への甲状腺ホルモンの影響は否定できない結果である(第27回日本胸部疾患学会総会特別講演呼吸機能のクロノバイオロジーに発表予定)。
|