1986 Fiscal Year Annual Research Report
ラット脊髄標本を用いた脊髄神経伝達物質候補ペプチドの生理・生化学的研究
Project/Area Number |
61480201
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金沢 一郎 筑大, 臨床医学系, 助教授 (30110498)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 定雄 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (40134225)
工藤 典雄 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (60014239)
|
Keywords | 幼若ラット脊髄標本 / 脊髄下行性線維 / ノルアドレナリン / セロトニン / 神経ペプチド |
Research Abstract |
1)生理学的研究……幼若ラット(生後0〜8日)の脊髄を双眼実体顕微鏡下に剥出し、27℃の温度条件下に灌流液を保ったbathにおき、腰髄前根・後根に各々吸引電極を装着しさらに頚髄に刺激電極を装着した。腰髄前根は記録電極とし、腰髄後根の刺激又は頚髄の刺激により、腰髄前根に生じる電位変化をオッシロスコープにて観察・記録した。このbathの中に、様々な薬物を適用し、腰髄レベルにおけるSegmentalrefexあるいは下行性刺激に対する反応がいかなる影響をうけるかを検討することが可能になった。又、場合に応じて腰髄運動ニューロンにガラス微小電極を刺入し細胞内記録を行うこと、及び頚髄白質を金属微小電極を用いて下行線維別に刺激することも可能となった。本年度は、このような実験装置を用いて既知の生理活性物質が腰髄Seg-mentalreflex及び下行性反応に及ぼす影響を検討した。まずノルアドレナリンは、Segmentalreflexには電化を与えないが、下行性刺激に対する反応を抑制し、塩酸ブナゾシン(【α_1】ブロッカー)でその作用が拮抗され、ヨヒンビン(【α_2】ブロッカー)やイソプロテレノール(Βブロッカー)では拮抗されなかったことから、ノルアドレナリン作動性下行性線維は運動ニューロンに対して【α_1】レセプターを介する抑制性作用を及ぼしていることがわかった。一方セロトニンは、Segmentalreflx及び下行性反応いずれも抑制し、ノルアドレナリンの作用とは異なることが判明した。次ぎにbathを変えてラット坐骨神経の活動電位に対するsubstance P拮抗ペプチド(スパンタイド)の効果を調べたが、リドカインよりも強力な局所麻酔効果があることを見出した。 2)生化学的研究……本年度は、400頭分のブタ脊髄を屠殺場より集め、これを出発材料としてアセトン・1N-塩酸(100:3,v/v)にてホモジナイズし、その可溶画分を採取した。その一部についてHPLCにて分画してみたが、多様なペプチドが分画されてきた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] T.Yoshizawa;I.Kanazawa;T.Nakanishi: Eur.J.Pharmacol.
-
[Publications] T.Yoshizawa;N.Kudo;I.Kanazawa: Exp.Brain Res.
-
[Publications] S.Kimura;Y.Sugita;I.Kanazawa;A.Saito;K.Goto: Neuropeptides.