1986 Fiscal Year Annual Research Report
クロイツフェルト・ヤコブ病特異蛋白質の臓器,血液からの検出法の開発
Project/Area Number |
61480202
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
立石 潤 九大, 医学部, 教授 (70033305)
|
Keywords | クロイツフェルト・ヤコブ病 / 病原体 / プリオン / アミロイド / アミロイド斑 |
Research Abstract |
クロイッフェルト・ヤコブ病(以下本病と略す)の特異蛋白プリオン抽出法によりアミロイド繊維が、本病以外の全身性アミロイドーシアスやアルツハイマー病のアミロイド沈着臓器より抽出可能であることを見出した。しかしながら、本病のアミロイドは、他のアミロイドとは異なる繊維蛋白より構成され、免疫学的に、特異抗体を用いた組織染色では、本病のアミロイド斑とのみ反応し、他のアミロイド沈着とは交又反応をしないことを確認し報告した。また、本病のアミロイド斑を組織切片中にて変性させる物理的および化学的処理が、本病の感染力価を低下および消失させることを証明した。以上の結果より、本病でみられるアミロイド斑は、疾患特異的な蛋白より構成され、感染力価と関連していることが明らかとなった。本病特異蛋白の臓器、血液からの検出法の開発のために、61年度は本病感染マウスの脳を用いて、特異蛋白の抽出、抗体の作製を行った。抽出法は、すでに報告した方法を改良し、マウス脳1gから30μg以上の特異蛋白を精製することに成功し、ウサギに免疫した。得られた抗血清の力価は二次抗体法によるdot blotting法で12800倍まで反応し、正常マウス脳のSDS可溶化分画でWestern blotting法を行うと、35K Daltonsの蛋白と特異的に反応した。この抗血清で、本病マウスの脳を免疫染色すると、アミロイド斑と特異的に反応することが明らかとなった。現在、この抗血清を用いて、本病マウスの各臓器および血液から、特異蛋白を検出中である。また、本病の特異蛋白は、免疫学的に種間交又反応は認められるものの、反応性はやはり同じ種の特異蛋白に対するほうが強いことが、この抗血清でも認められ、ヒトの本病の検出法の感度を上げるため、現在、本病患者の脳より特異蛋白を抽出し、抗体の作製を行っている。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Tateishi J: Lancet. ii. 1074 (1985)
-
[Publications] Tateishi J;Kitamoto T;Hiratani H: Lancet. ii. 1299-1300 (1985)
-
[Publications] Kitamoto T;Tateishi J;Hikita K;Nagara H;Takeshita I: Acta Neuropathologica. 67. 272-278 (1985)
-
[Publications] Kitamoto T;Hikita K;Tashima T;TaTeishi J;Sato Y: Bioscience Reports. 6. 459-465 (1986)
-
[Publications] Kitamoto T;Tateishi J;Tashima T;Takeshita I;Barry RA;Dearmond SJ;Prusiner SB: Annals of Neurology. 20. 204-208 (1986)
-
[Publications] Tashima T;Kitamoto T;Tateishi J;Sato Y: Brain Research. 399. 80-86 (1986)
-
[Publications] Tateishi J;Sato Y;edited by Mizutani T,Shiraki H: "Clinicopathological Aspects of Creutzfeldt-Jakob Disease" Elsevier Science Publishers & Nishimura Co. Ltd., 325 (1985)