1986 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化の発症と進展に関する研究-血小板と血管壁細胞との関連について-
Project/Area Number |
61480208
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福崎 恒 神戸大, 医学部, 教授 (90030824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 嘉雄 神戸大学, 医学部附属動物実験施設, 助教授 (00031401)
高野 新二 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30116222)
石川 雄一 神戸大学, 医学部, 講師 (90159707)
横山 光宏 神戸大学, 医学部, 助教授 (40135794)
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Keywords | 動脈硬化症 / 細胞増殖因子 / Cキナーゼ / カルシウム / コレステロール代謝 / アポ蛋白 / アスパラギン結合糖鎖 |
Research Abstract |
動脈硬化の発症と進展の機序を解明するため以下の実験を行なった。1.ウサギ大動脈血管条片を用いて、収縮とイノシトール燐酸への【^(32)P】の取り込みをみた結果、ノルアドレナリン(NE)刺戟およびセロトニン(5HT)刺戟により、【^(32)P】の取り込みは用量依存性に増加した。しかしNEによる増加は【Ca^(++)】の流入には依存せず、5HTによる増加は【Ca^(++)】の流入に依存し、その作用の異なることが示唆された。2.内皮依存性血管拡張(EDR)機講の研究、アセチルコリンでは細胞内【Ca^(++)】の放出がEDRを惹起するが、Cキナーゼはイノシトール燐酸の分解を阻害し【Ca^(++)】の放出を抑制していることが判明した。3.細胞増殖因子の作用機序の研究では、血小板由来成長因子(PDGF)が細胞膜の受容体に作用すると、DG-Cキナーゼ系とI【P_3】を介する【Ca^(++)】-【Ca^(++)】受容体系が同時に活性化され、c-myc遺伝子を増加させた。しかしインスリンの非存在下ではDNA合成は惹起出来なかった。4.脂質蓄積機序の解明,マウス腹腔在住マクロファージを用いて、高コレステロール負荷ウサギより採取し超遠心分離したβ-VLDLの細胞内への取り込みおよび分解をCa拮抗剤を培地内へ添加して観察した。その結果TMB-8はBVLDLの取り込みを飽和曲線を描きながら増大させ、細胞内Ca濃度が細胞内脂質代謝に重要な役割をもつことが示唆された。その機序として受容体活性の変動、細胞内脂質代謝に関与する酸素活性の変動などが考えられる。5.アポン蛋白の糖鎖構造、コレステロール代謝に重要な役割をもつアポ蛋Bを高脂血症患者および正常人より超遠心分離し精製した。ヒドラジン-N-アセチル化法,高圧濾紙電気泳動法を用いた分析結果では、酸性糖と中性糖がほぼ1:1の割合で含有していることが判明した。 以上の実積をふまえ次年度の計画を行なう予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Yokoyama et al: Circulation Research.
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[Publications] M.Yokoyama at al: J Pharmacol.Exp.Ther.
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[Publications] K.Kariya: Atherosclerosis. 63. 251-255 (1987)
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[Publications] Y.Ishikawa: Atherosclerosis.
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[Publications] Y.Ishikawa: Journal of Japan Atherosclerosis Society. 14. 919-923 (1986)
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[Publications] 横山光宏: "「血管攣縮」血管攣縮攣における血小板活性化の意義" アカデミック・プレス・ジャパン, (1987)