1988 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧状態における心房性ナトリウムの利尿ポリペプチド受容体の変動と薬物による影響
Project/Area Number |
61480209
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Research Institution | Okayama University, |
Principal Investigator |
太田 善介 岡山大学, 医学部, 教授 (90032870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高取 克彦 岡山大学, 医学部附属病院, 医員
鈴木 信也 岡山大学, 医学部, 助教授 (70032901)
橋本 浩三 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (60033370)
平川 秀三 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (60156651)
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Keywords | 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP) / 腎 / α受容体 / DOCA食塩高血圧ラット / オートラジオグラフィー / 画像解析装置 |
Research Abstract |
1.3,8,12週齢の高血圧自然発症ラット(SHR)腎における心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体は、ホモジネートを用いた受容体結合実験(RRA)において、コントロールの正常血圧ラット(WKY)に比較して、すべての週齢で有意に親和性の上昇と結合の減少をみとめた。また、オートラジオグラフィー(ARG)法による受容体分布の検討では、SHRとWKYで差はみられず、週齢によっても分布パターンに変化を認めなかった。このオートラジオグラフィーを画像解析装置によって定量的に分解すると、RRAと同様にSHRで結合の低下を認めた。SHR腎のANP受容体の減少は、高血圧発症前の3週齢より認められており、遺伝的変化と考えられた。2.DOCA食塩高血圧ラット腎においては、ANP受容体はコントロールより有意に低下しいるが、血中ANPはDOCA群で上昇しており、ダウンレギュレーシヨンによるものと考えられた。3.SHRの腎受容体について、α受容体の変化をANPと対比する目的で検討した。まず、^3Hーブナゾシンおよび^3Hーヨヒンビンを用いて、腎α受容体のRRAのアッセイ法を確立し、ARG法にてα_1,α_2受容体の分布を検討し、さらに、SHRおよびWKYの腎α受容体の分布変化を、ARG法にて検討するとともに画像解析装置にてα受容体の結合量を定量的に比較検討した。その結果、腎α受容体はANPと異なり、SHRで有意に上昇を認めており、しかも高血圧発症前の3週齢より認められた。降圧作用を有するANPと昇圧作用を有するα作動性物質の受容体がSHR腎において全く相反する受容体変化を呈することは、興味深い。4.ANP受容体変化の最終検討として、ヒト腎生検切片を利用したANP受容体の変化をin vitroミクロオートラジオグラフィー法を用いて検討中であり、高血圧、腎疾患におけるANP受容体変化の興味深い結果が得られつつある。
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[Publications] T.Ogura;E.Katayama;T.Mitui;K.Takatori;Z.Ota;K.Mizukawa;M.Ogawa: Clinical Tnerapeutics. 10. 559-567 (1988)
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[Publications] T.Ogura;I.Yamamoto;N.Ogawa: Hypertension. 13. (1989)
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[Publications] K.Mizukawa;T.Ogura;I.Yamamoto;T.Mitui;E.Katayama;Z.Ota;N.Ogawa: Reguratory Peptides. 21. 167-172 (1988)
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[Publications] E.Katayama;T.Ogura;K.Takatori;T.Mitui;I.Yamamoto;Z.Ota;et al.: Res.Commun.Chemi.Pathol. Pharmacol.(1989)
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[Publications] E.Katayama;T.Ogura;Z.Ota: Nephron.
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[Publications] K.Takatori;T.Ogura;E.Katayama;Z.Ota;K.Mizukawa;M.Ogawa: Renal Pnysiology.