1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480210
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
武田 忠直 大阪市立大学, 医学部, 教授 (50010129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 雅和 大阪市立大学, 医学部, 助手 (20153489)
金山 良春 大阪市立大学, 医学部, 講師 (60106341)
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Keywords | 高血圧 / 自然高血圧発症ラット(SHR) / プロティンチナーゼC(PKーC) / ミオシン軽鎖リン酸化 / ミオシン軽鎖キナーゼ / 血小板 / 細胞内pH / NaーHポンプ |
Research Abstract |
昨年度の研究において自然高血圧発症ラット(SHR)の血小板プロテインキナーゼC(PKーC)活性が高血圧発現時に上昇していることを示した(BBRC,1986). DOC.A食塩高血圧ラットモデルにおいては血小板PKーCの上昇は認められず, SHRをACE阻害剤で降圧してもPKーC活性には変化がみられなかったことより, 血小板PKーCの上昇はSHRの高血圧発現時期における遺伝的特徴の表現であると考えられる. さて, 高血圧発現により直接的に関係している血管平滑筋のPKーC活性をSHRの大動脈血管平滑筋を用いて測定したが, 血小板での結果と同様に, 高血圧発症時期のSHRにおいて有意に上昇していることが認められ, 血圧とPKーC活性の間に有意な正相関が認められたことより, 高血圧発現とPKーC活性の上昇が関連している事が示唆された. 一方, 血管平滑筋の収縮にはミオシン軽鎖(MLC)のリン酸化が必須であるが, SHRの血小板MLCのリン酸化が亢進しているかどうかを, ^<32>P標識血小板を電気泳動後オートラジオグラフィーを行い20K蛋白のリン酸化量を定量することにより検討した所, SHR血小板MLCのリン酸化はWKYラットに比し有意に亢進しており, 血圧との正相関(r=0, 78,P<0, 01)がみられた. PKーC阻害薬Hー7, カルモデュリン阻害薬Wー7によるMLCリン酸化の影響を検討した結果, SHR血小板MLCのPKーC,ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)両経路によるリン酸化は亢進しており, PKーC活性の亢進はむしろMLCK由来のMLCリン酸化には抑制的に働いていることが示唆された. Na/Hポンプにより細胞内pH,細胞内へのNaの流入が調節されているが, SHR血小板のpHはWKYに比し有意にアルカリ側へ上昇しておりpHと血圧には正相関(r=0, 68,P<0, 01)がみられた. Hー7によりSHR血小板pHのより大なる低下が認められた事より, SHR血小板のpH上昇はPKーC活性の上昇による事が示された.
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Research Products
(2 results)