1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480210
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
武田 忠直 大阪市立大学, 医学部, 教授 (50010129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 雅和 大阪市立大学, 医学部, 助手 (20153489)
金山 良春 大阪市立大学, 医学部, 講師 (60106341)
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Keywords | 自然高血圧発症ラット / SHR / プロティンキナーゼC / 血小板 / ミオシン軽鎖 / Na^+-H^+交換機構 / WKYラット |
Research Abstract |
自然高血圧発症ラット(SHR)の血小板プロティンキナーゼC(PK-C)活性は高血圧発症時に上昇していることを報告した(BBRC1986)。今年度はSHRに各種降圧剤(enalapril、nifedipine、hydralazine)を投与して降圧による血小板PK-Cの変化を検討した。10週令のSHRに2週間上記の降圧剤を投与し、有意な降圧を得た。血小板PK-C活性はいずれの降圧剤投与によってもWKYラットと同程度にまで低下していた。一方、平滑筋の収縮に密接に関与しているとされているミオシン軽鎖のリン酸化を血小板を用いて測定したが、4週令のSHRとWKYラットでは差が認められなかったが10週令のSHRでは有意にリン酸化は亢進していた。ミオシン軽鎖(20K蛋白)を。さらに2次元フォスフォペプタイドマッピングで解析するとミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)によるリン酸化とPKCによるリン酸化の比はSHRでは33/67、WKYでは41/59であった。これよりSHR血小板のミオシン軽鎖のPK-Cによるリン酸化はWKYラットに比し増加しているがMLCKによるリン酸化には有意差を認めなかった。また、SHRをenalaprilで降圧した所血小板ミオシン軽鎖の総リン酸化量には変化をみとめなかったが、PK-C、MLCKによるリン酸化の比がSHR34/66、enalapril投与SHR54/46とPK-Cによるリン酸化の減少、MLCKによるリン酸化の増加を認めた。これらの結果より、MLCKによるミオシン軽鎖のリン酸化は高血圧とあまり関連せず、PK-C活性が密接に高血圧と関連していることが示された。細胞内のpH、Na代謝に重要Na^+-H^+交換機構の培養平滑筋細胞における交換活性を検討し、SHRではWKYに比し、有意に増加していることが示された。PK-C阻害剤のH-7によりSHRではNa^+-H^+交換活性が低下するがWKYでは低下しないことより、SHRの培養平滑筋細胞のNa^+-H^+交換活性の増加にPK-Cが関与していることが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Murakawa,K.,et al.: Clinical Science. 71. 121-123 (1986)
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[Publications] Takaori,K.et,al.: Biochemical Biophysical Research Communication. 141. 1419-1424 (1986)
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[Publications] Murakawa K.et al.: journal of Hypertension.
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[Publications] Inariba H.et al.: Journal of Hypertension.
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[Publications] 武田忠直 他: 病態生理. 6. 563-564 (1987)
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[Publications] Kanayama Y.et al.: Hypertension. 12. 356 (1988)