1988 Fiscal Year Annual Research Report
レクチンによる分泌型IgAの簡易精製法の開発と分泌型IgAの経口投与の臨床応用
Project/Area Number |
61480217
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Research Institution | Yamaguchi University School of Medicine |
Principal Investigator |
小林 邦彦 山口大学, 医学部, 助教授 (60091451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 穂積 山口大学, 医学部, 助手 (70195907)
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Keywords | jacalin / 分泌型IgA / 免疫複合体 / γグロブリン製剤 / 凝集体IgG |
Research Abstract |
パンの木レクチン(jacalin)は免疫グロブリンIgA1と特異的に結合し、このjacalinを用いたアフィニティカラム法でヒト分泌型IgA1を容易に分離できること、このIgA1特異性その分子のもつ糖鎖構造によること、またある種のjacalin(jacalin-H)はIgAのほか、IgM、IgD、IgEなど全ての(正常IgGは結合しない)免疫グロブリンとも結合することはこれまでの研究で明らかにした。さらにこのjacalin-Hは正常IgGとは結合しないがIgGの凝集体とは結合することも明らかにした(Clin Chim.Act1>4:15〜24、1988)。本年度はこのjacalin-Hの特殊な性質をさらに検討し以下の結果を得た。 (1)jacalin-Hは正常なIgGとは結合しないが、このIgGを変性させ凝集体となると反応する。さにこのIgGが抗原と結合し、免疫複合体となった場合も結合性が出現する。この原因はIgGの凝集化、免疫複合体化により、本来IgG分子中に埋穴している糖鎖が露出(三次構造の変化により)するためを推定した。事実、この凝集体はjacalin以外のレクチンとも反応性するようになることから、この推定は正しいと考える。(Vox Sang。Submitled)。 (2)jacalinはその抽出原であるパンの中の産生地などにより免疫グロブリンとの結合性に差がみられる。これはパンの木そのものがこれまで種々に種間雑種形成してきたためと推定できる。この件に関して報告した(Molec-Immunol.25:1037ー1038、1988)。 (3)jacalin-Hのアフィニティカラム法で安全なγグロブリン製剤の簡易精製が可能となった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hagiwara,K.: Molecular Immunology. 25. 69-83 (1988)
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[Publications] Kondoh,H.: Clinica Chimica Acta. 174. 15-24 (1988)
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[Publications] Kobayashi,K.: Molecular Immunology. 25. 1037-1038 (1988)
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[Publications] Kondoh,H.: Vox Sanguinis.
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[Publications] 小林邦彦: 医学のあゆみ. 147. 359-362 (1988)
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[Publications] 小林邦彦: Clinical Immunology Newsletter. 4. 102-103 (1988)