1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480222
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
加藤 俊一 東海大, 医学部, 講師 (70096212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢部 みはる 東海大学, 医学部小児科学教室, 助手 (40172514)
猪子 英俊 東海大学, 医学部移植学教室【II】, 講師 (10101932)
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Keywords | 遺伝子導入 / 骨髄細胞 / HLA抗原 |
Research Abstract |
1.人工脂質膜小胞であるリポゾームにHLAクラスI抗原遺伝子DNAを封入し、マウス(C57BL/6)骨髄細胞と融合後、選択培地で3日,7日,14日培養した。各期間培養後の細胞について、ヒトクラス【I】抗原全体に対する単クローン抗体を用いた直接螢光色素標識FITC法により細胞表面上のヒトクラス【I】抗原の発現の有無を検討した。その結果、3日間培養のマウス骨髄細胞中にヒトクラス【I】抗原を発現する細胞を確認したが、その出現頻度は【10^5】個に1個と低かった。7日と14日培養のマウス骨髄細胞中にはヒトクラス【I】抗原を発現する細胞は検出されなかった。 同様の実験をヒト骨髄細胞で行い、やはり遺伝子導入の効率は低く、本法の大きな問題点であることが判明した。 2.HLA-DQ抗原遺伝子を導入したマウス【L^(tk)】由来トランスフェクタント細胞を別途作成し、マウスに移植し各臓器においてその存在を検索した。トランスフェクタント細胞のマウスへの移植は尾静脈より行い、X線照射による前処置の有無、同種骨髄細胞の混合移植とトランスフェクタント細胞単独の移植などの条件で比較検討した。移植後6時間から7日間まで生存させたマウスの末梢血胸腺,肺,肝臓,脾臓,骨髄の各組織切片をFITC直接法によりトランスフェクタント細胞の有無を検討した。その結果、X線照射を行わずにトランスフェクタント細胞のみを移植したマウスの3日後の肝組織中の類洞壁にヒトクラス【II】のDQ抗原と特異的に反応する抗体で螢光発光する細胞を検出した。 3.低頻度の遺伝子導入細胞を検出する方法として、軟寒天培地によるコロニーアッセイ法と酵素抗体法を併用した新しい方法を開発中であるが、まだ完成には到っていない。
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