1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480227
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Research Institution | Yamanashi Medical College |
Principal Investigator |
玉置 邦彦 山梨医科大学, 教授 (30010432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 正文 昭和大学, 医学部, 助教授 (20010449)
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Keywords | 皮膚移植 / ランゲルハンス細胞 / UVB |
Research Abstract |
本年度は、これまでに得られた、来皮細胞によるアロ抗原に対する遅延型過敏反応(DTH反応)および脾細胞のcytotoxicT細胞活性(CTL活性)を抑制しうるUVB量を用いて、紫外線照射皮膚の生着延長が期待できるか否かについて先ず検討した。その結果、DTH反応もCTL活性も抑制できるUVB量を照射した皮膚は、UVB照射を受けていない皮膚と同様に、皮膚移植片拒絶反応をうけることが明らかとなった。続いて、表皮移植を行なおうと試みたが、種々の条件を試みたにも拘らず、表皮移植片の植皮が成功しなかった。次に、表皮ケラチノサイトを培養して、そのシートの移植も試みたが、これも成功しなかった。マウスのケラチノサイトの培養はヒトに比べて難しいといわれているが、後述するような理由で、今後共に検討を重ねてみたいと考えている。 これまでの検討は、完全なアロの系を中心にして行なってきたが、本年度は(C3H×BALB/C)F_1マウスにBALB/cの皮膚移植を行ない。BALB/cの皮膚のランゲルハンス細胞(LC)が完全にレシピエントのLCに置換した時点に、表皮細胞浮遊液とし、BALB/cマウスを、皮下注によって感作して検討することを行なった。この方法によって、直接LCの影響が検討できると考えた。このようにして感作されたマウスは、C3Hの脾細胞を用いて、DTH反応やCTL反応をみたところ、いづれも強い反応を示すことが明らかにされた。そして、感作するBALB/c皮膚移植片由来の細胞を抗I^k_a抗体と補体処理を行なってみたところ、DTH反応もCTL活性も同様に有意に抑制されることが明らかとなった。このことはDTH反応、CTL活性のいづれに対してもLCが重要であることを示唆している。しかし、抗体処理の代りに、UVB照射を行なったところDTH反応は抑制するがCTL活性には変化のないことが明らかとなった。これは、単にLCのみの関与によるものではないことを示唆しているのかも知れない。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kunihiko Tamaki;Masafumi Iijima: J Invest Dermatol.
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[Publications] 玉置邦彦: "Imnumhematology" 近代出版,