1986 Fiscal Year Annual Research Report
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61480231
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
新村 真人 慈恵医大, 医学部, 教授 (00010190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 雅邦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80169292)
石田 卓 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90159731)
戸沢 孝之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50155529)
本田 まりこ 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20100919)
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Keywords | ヒト乳頭腫ウイルス / 発癌 / ウイルスDNA / hybridization法 / 子宮頸癌 / 尖圭コンジローマ |
Research Abstract |
ヒト乳頭腫ウイルス(human papiLLomavirus,HPV)は、DNA腫瘍ウイルスの一つであり、皮膚や粘膜に種々の症賛を発生させるが、皮膚泌尿器癌、子宮頸癌、喉頭癌などの腫瘍細胞中にHPV-DNAが検出され これらの悪性腫瘍の発生に何等かの役割をはたしているものと考えられている。またHPVは、その塩基配列の差によって、現在46型に分類されているが、ウイルスの型と臨床病型とはある程度一致する。HPVの発癌に関する研究において、今年度に得られた知見は以下の通りである。1.尖圭コンジローム47例について、各型のDNAプローブを用いて、in situ hybridization法およびSouthern bLot法によるHPVの型の検索を行った。またパラフィン切片を用いた抗乳頭腫ウイルス抗体、PAP法によるウイルス粒子の局在についての検討も行った。その結果HPV陽性率は89%(41/47)であり、68%はHPV-6型であり、32%はHPV-11型であった。悪性腫瘍と関係があると考えられている16,18型のウイルスは1例も検出されなかった。小児の尖圭コンジロームは4例であったが、2例は11型、1例は6型で、1例は未知の型と考えられた。2.下腿の皮膚にみられたボーエン病1例の細胞中に、Southern法でHPV-2型のDNAが存在することを証明した。3.症賛状表皮発育異常症患者から2種のHPV-DNAをクローニングし、その一つは5型であり、2のDNAの塩基配列をほぼ明らかにした。もう一つは、検索した38の型と一致しなかった。4.CervicaLdyspLasiaの一部に、in situ hybridization法で、HPV-16型のDNAの存在を証明した。5.1型のHPV感染症であるmyrmecia症賛について、HPV-DNAの局在とウイルス粒子の局在との関係を調べ報告した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 本田まりこ: 日本皮膚科学会雑誌. 97. 105-108 (1987)
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[Publications] 本田まりこ: 日本皮膚科学会雑誌. 96. 134 (1986)
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[Publications] 本田まりこ: 日本皮膚科学会雑誌. 96. 1182-1183 (1986)
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[Publications] 新村眞人: "皮膚免疫組織アトラス" 南江堂, 164 (1986)