動態シングルフォトン エミツシヨンCTに関する基礎的,臨床的研究

1986 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 61480235
• Research Institution: Mie University
• Principal Investigator: 山口 信夫 三重大, 医学部, 教授 (90024679)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 中村 和義 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (60126985) ; 松村 要 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (70126994) ; 竹田 寛 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (70106988) ; 前田 寿登 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00024703) ; 中川 毅 三重大学, 医学部, 助教授 (90024801)
• Keywords: シングルフォトンエミッションCT(SPECT) / 局所脳血流量測定 / 心拍同期心プールシンチグラフィ / 肝胆道シンチグラフィ / 腎動態シンチグラフィ / フーリエ解析 / 伝達関数 / ファンクショナルイメージング

Research Abstract

1.基礎的検討。ガンマカメラ対向型SPECT装置(東芝製GCA-70AS)を用いて、動態SPECTに関する種々の基礎的検討を行った。(1)投影データ収集方法;対向検出器の180度連続回転法で、6度ごとの収集角度間隔で投影データを収集するのが望ましい。また、1回転に要する最短時間は30秒であり、30秒ごとの動態SPECT像を得ることが可能であった。(2)SPECTの基本性能に関する測定:種々のコリメータを用いて解像力を測定し、通常の動態SPECTで最も適していると思われる汎用平行コリメータにおいては【^(99m)TC】で19.5mmのFWHH値(空気中、回転半径22.5cm)を示した。(3)吸収補正:Changの方法により吸収補正を行い、その効果をファントーム実験で確認した。2.臨床的研究。(1)【^(133)Xe】吸入法による三次元的脳血流量functional imaging:【^(133)Xe】ガスの吸入、洗い出しの過程でガンマカメラ対向型SPECT装置により30秒毎の脳の動態SPECTを行った。経時的断層像を再構成し、Kanno,Lassenの方法に準じて局所脳血流断層像を作成して各種脳血管障害例の診断に応用した。(2)Gated blood pool SPECT:【^(99m)Tc】標識赤血球により、心拍同期心プール断層像を得、これより左室軸を基準とした断層像を作成し、更に右室領域のデータを除去した後断層像を加算し、左室軸を基準としたplanarイメージを作成した。このデータをフーリエ解析して位相、振巾のイメージを作成した結果、虚血性心疾患の局所壁運動異常が三次元的に鋭敏に診断された。(3)肝、腎のfunctional image:【^(99m)Tc】-PMTによる経時的肝胆道SPECTおよび【^(99m)Tc】-DTPAを用いた経時的腎SPECTにおいて、各臓器内単位領域の時間放射能曲線を出力、心領域の曲線を入力としてdeconvolution analysisを行い、得られた伝達関数から最小、平均、最大通過時間、initial heightのfunctional imageを作成した。各種肝、腎疾患に応用して、局所的血流低下と排泄遅延を定量的に診断した。

Research Products

• [Publications] 中川毅: 画像診断. 11. 1131-1138 (1986)
• [Publications] 中川毅,久田欣一編: "SPECTの臨床" 金原出版株式会社, 248 (1986)