1986 Fiscal Year Annual Research Report
夢見の精神生理学-REM睡眠時の急速眼球運動に伴って出現する陽性電位の研究-
Project/Area Number |
61480243
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
鳥居 鎮夫 東邦大, 公私立大学(その他), 教授 (20057425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 秀樹 東邦大学, 医学部, 助手 (80167618)
古閑 永之助 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90090406)
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Keywords | レム睡眠 / 急速眼球運動 / サッケード / ラムダ反応 / ノンレム睡眠 |
Research Abstract |
昭和61年度において、昭和60年度に行なった実験に被験者を追加し、健康成人4名を用いて、終夜睡眠時及び覚醒時の頭皮上4部位の脳波・垂直方向眼球運動・水平方向眼球運動・オトガイ筋電図を記録し、レム睡眠時の急速眼球運動及び覚醒時のサッケードの立ち上がりでそろえて脳波を加算平均した。その結果、全実験条件で眼球運動の立ち上がりとほぼ同時に頭頂・後頭領域に鋭い陽性成分が出現し、その後、覚醒・照明下では後頭領域に2つの陽性成分いわゆるラムダ反応が出現し、覚醒・暗室下では明瞭な成分は出現せず、レム睡眠では中心領域に緩徐な陽性成分、更に後頭〜側頭後部領域にラムダ波に類似した陽性成分が出現し、レム睡眠時に急速眼球に伴って覚醒・開眼時と類似した脳電位活動が生じている事が示唆された。更に、ノンレム睡眠時のtwitchの立ち上がりでそろえて脳波を加算平均すると、レム睡眠時の急速眼球運動で加算平均した場合に中心領域に出現する緩徐な陽性成分と類似した陽性成分が出現する事を発見した。この事から、中心領域に出現する陽性成分はレム睡眠時の急速眼球運動に特異的な成分ではないと考えられた。以上の成果については、神経研究の進歩第30巻(1986)及び、Electroencephalography and clinical Neurophysiology(印刷中)において発表した。 次に、健康成人6名を用いて、脳波の記録部位を16部位に増やして同様の実験を行ない、急速眼球に伴って出現する陽性成分の詳細な頭皮上分布を調べた。その結果、覚醒時のラムダ反応は後頭領域で最も高振幅を示すのに対し、レム睡眠時の急速眼球に伴って後頭領域に出現する陽性成分は、後頭と側頭後部でほぼ同一の振幅を示すなど、興味深い所見が得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 宮内哲,多喜乃亮介,福田秀樹,鳥居鎮夫: 神経研究の進歩. 30. 1035-1043 (1986)
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[Publications] 宮内哲,多喜乃亮介,福田秀樹,鳥居鎮夫: Electroencephalography and clinical Neurophysiology.