1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480247
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
折茂 肇 東京大学, 医学部(病), 教授 (00143438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 哲郎 東京大学, 医学部・老年病学教室, 助手 (30172414)
井藤 英喜 東京都老人医療センター, 内分泌科医長
寺下 謙三 東京大学, 医学部・老年病学教室, 助手 (00163915)
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Keywords | 培養血管内皮細胞 / 活性酸素 / 細胞内カルシウム / 低比重リポ蛋白質の透過性 / カルシウム拮抗薬 |
Research Abstract |
1.目的:血管内皮細胞の, 血中物質の透過性制御は血管の恒常性を保持する上で極めて重要な機能であり, 特に低比重リポ蛋白(LDL)の透過性の変化は, 動脈硬化発症に重要な役割を果たすと考えられる. その機序を解明するため, 動脈硬化の危険因子とされる活性酸素を用い, ブタ大動脈由来培養内皮細胞におけるLDL透過性と細胞質Ca^<++>代謝との関連を検討した. 2.方法:活性酸素としてXanthineーxarthine oxidase(XーXD)及びリノール酸過酸化物(LHO)を用い, これらの培養内皮細胞内Ca^<++>濃度に対する影響をquin2を用いて検討した. LDL透過性はpolycarbonate filter上に単層培養した内皮細胞層を通過した. ^<125>IーLDL量により測定した. 活性酸素による非特異的な細胞障害は, あらかじめ取り込ませた3Hー2ーdeoxyーDーglucese(^3HーDOG)の放出反応により測定した. 3.結果:X(0.1mM)ーXO(2.5〜40mo/ml)及びLHO(0.032〜0.32mm)は内皮細胞の細胞内Ca^<++>濃度を用量依存的に増加させるとともにLDL透過性を亢進させた. この量のXーXO,LHOは^3HーDOGの放出を惹起せず, これらの反応は細胞障害により非特異的なものではなかった. また, これらの反応はXーXO及びLHOのそれぞれのscavenger enzymeであるsuperoxide dismutase(SOD)及びGlutathiane perexidase(GPox)で前処理することにより抑制され, XーXO,LHCのこれらの作用が活性酸素によるものであることが示された. XーXO及びLHOの細胞内Ca^<++>濃度増加作用及びLHOによるLDL透過性亢進はCa^<++>拮抗薬であるこつレジピン(3MM)の前処置により抑制された. 4.考察:活性酸素は内皮細胞におけるLDL透過性を亢進させ, この反応が内皮細胞における細胞内Ca^<++>濃度上昇を介するものであることが判明した. またCa^<++>拮抗薬がこれらの反応を抑制したことは, 同薬がantiーoxirhutとして抗動脈硬化作用を発揮する可能性を示唆すると考えられた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hajime Orimo: Eudocrinology.
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[Publications] Yasuyoshi Ouchi: Proceeding of 3rd Asian Pacific aDALAT Symposium.
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[Publications] Hajime Orimo: Biochemical and Biophysical Research Communications.