1986 Fiscal Year Annual Research Report
慢性骨髄性白血病および芽球性急性転化に伴う発癌遺伝子活性化機構に関する研究
Project/Area Number |
61480259
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
今村 孝 遺伝研, その他, 教授 (00037368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 衡 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (70188960)
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Keywords | がん遺伝子 / 骨髄性白血病 / 細胞増殖因子 / 形質転換 |
Research Abstract |
芽球性急性転化した慢性骨髄性白血病細胞の自律的増殖能、分化形質の発現異常がなにによるのかを明らかにするため、腫瘍細胞のオートクライン・システムを想定して、白血病細胞の自己増殖因子とそれらのレセプターの解析をおこなった。培養中の白血病細胞に放射性アミノ酸をとりこませることにより、アイソトープで標識された白血病細胞由来の自己増殖因子を合成した。この増殖因子をふくむ培養液中で白血病細胞を培養し、増殖因子ならびにこれと結合する細胞膜レセプターの両者を交又結合法により化学的に共有結合した後、細胞膜タンパク質を界面活性剤をもちいて可溶化し、2次元ポリアクリルアミド電気泳動法で展開した。そして、これらのタンパク質をオートラジオグラフィー法で同定することを試みた。現在、抽出した膜タンパク質に対する単クローン抗体を作成し、メッセンジャーRNAの分離、それらにそう補的なcDNAライブラリーの作成、さらに遺伝子レベルでの解析をめざして研究を進めている。 また、すでにクローン化されているRASがん遺伝子について、in vitro塩基増幅法を応用し、白血病細胞の急性転化に係わるRASがん遺伝子群の変異を解析した。急性転化した慢性骨髄性白血病患者より分離・樹立されたヒト・【Ph^1】陽性細胞株(K562)から、高分子染色体DNAを分離し、培養中の標的細胞(NIH3T3)に導入した。フォーカス形成法によって形質転換細胞とおもわれる細胞株を分離し、現在、得られた転換細胞から活性化されたヒト・発がん遺伝子を同定するとともに、DNA塩基配列の変化を決定する作業を進めている。
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