1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480266
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
平山 廉三 医科歯科大, 医学部, 助教授 (10014317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 和郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90188219)
三島 好雄 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00010158)
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Keywords | ガン転移 / 腹膜播種性転移 / 転移抑制 |
Research Abstract |
ヒトの「ガン転移の抑制」に関する研究のスタートにあたり老令者を含む原発胃癌非切除173剖検例において癌臨床における転移事象の動態を明らかにした。ガン転移は癌細胞側および宿主側の2因子の連関によって修飾され末分化型癌では腹膜播種性転移とリンパ節転移が、分化型癌では経門脈性肝転移が、さらに、高令者では末分化型癌の腹膜播種性転移とリンパ節転移、分化型癌の腹膜播種性転移が有意に少ないことが明らかにされ(第86回日本外科学会パネルディスカッション1986.4)(日外会誌 87巻(9)、1986)、その臨床的意義が明らかにされた(第29回日済外会シンポジウム、高令者消化器手術の適応判断 1987-2)、同時に転移抑制に対するlymphnode surgeryの原理とその成績が検討された(World,Tournal of Surgery The Role of Lymph node surgery in gastric cancer,1987印刷中) ガン転移機序の解明に資する適切な動物モデルが喝望されている。腫瘍細胞のマウス外耳皮下への移入により高率にリンパ行性および血行性転移を認める我々のモデルにおいて転移巣形成には宿主加令因子が関与し血行性およびリンパ行性転移の成立は加令により促進されるがその後の増殖は若令に比して旺盛ではなく、しかも老令でinuasine、若令でexpansiveと増殖形態に差異がみられた。しかも、老令動物の転移はDTTにより著明に抑制された(日癌治誌、22巻、1987)。最も治療に難渋する腹膜播種性転移について網嚢膜内への腫瘍細胞の移植により腹膜播種性転移巣が高頻度で成立した。これは転移機序の段階の解明に資する有効な実験モデルと考えられた。これらを使用し、播種性転移機序の解明、各種薬剤、温熱療法、直流癌破砕法などによる転移抑制の有効な方法を検討している。
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Research Products
(17 results)
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[Publications] 平山廉三: 日本癌治療学会雑誌. 22. 17-24 (1987)
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[Publications] 平山廉三: 日本外科学会雑誌. 87. 1190-1192 (1986)
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[Publications] 竹村和郎: 日本消化器外科学会雑誌. 19(4). 849-853 (1986)
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[Publications] Renzo Hirayama: Cancer.
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[Publications] Renzo Hirayama;Edi.A.LiKhacheu;V.Anisimov;R.Montesano: IARC Scientific publication No.58 Lyon 1995. 85-96 (1985)
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[Publications] Yosio Mishima: World.J.Surg. 10. (1987)
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[Publications] 三島好雄: 外科治療. 27. 202-207 (1985)
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[Publications] 平山廉三: Current therapy. 13. 43-51 (1985)
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[Publications] Renzo Hirayama;ed.by Abe,M.Takahashi;T.Sugahara: Hyperthermia in cancer therapy. 53-54 (1985)
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[Publications] 平山廉三: 臨床外科. 41. 177-182 (1986)
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[Publications] 平山廉三: Current therapy. 4. 11 (1986)
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[Publications] 平山廉三: 臨床外科. 42. 325-329 (1987)
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[Publications] 嘉和知靖之: 日本消化器外科学会雑誌. 19. 417 (1986)
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[Publications] 三高祥雲: 日本癌治療学会雑誌. 21. 1358 (1986)
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[Publications] 竹村和郎: 日本癌治療学会雑誌. 21. 1365 (1986)
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[Publications] 平山廉三,古味信彦: "大腸癌 図説臨床看護医学3、消化器" 同朋舎, 62 (1986)
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[Publications] 平山廉三,三島好雄,瀬在安幸 編: "腫瘍 外科学要項" 朝倉書店, (1987)