1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480266
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
平山 廉三 東京医科歯科大学, 医学部・第二外科, 助教授 (10014317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 啓 東京医科歯科大学, 医学部・第二外科, 医員
富永 秀次 東京医科歯科大学, 医学部・第二外科, 助手 (10207615)
三島 好雄 東京医科歯科大学, 医学部・第二外科, 教授 (00010158)
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Keywords | 転移 / 転移抑制 / 血行性転移 / 腹膜播種 / 加令 / 脱線維素原剤 / 温熱療法 / B16メラノーム |
Research Abstract |
播種性腹膜転移は癌臨床の場での最重要課題である。しかし、方法論的問題、とくに適切な実験モデルを欠くため研究に遅滞がみられる現況にあった。本年度において、播種性腹膜転移の新しい実験モデル(腫瘍細胞を網嚢壁内に移植)が開発された。このモデルを使用して播種性腹膜転移抑制について多種の方法の検討が行われた。 SPF下で4週令雄性C57BL16マウスの網嚢壁内にB16メラノームを移植(その初発腫瘍は10日目に切除)、脱繊維素原剤Batro-xabin投与群(20BU/kg、10回)、MMC投与群(1mg/kg、2回)、両者併用投与群を比較検討した。各群間において転移個数に差をみないが、併用群では他の単独投与群に比し、各転移巣の径縮小が認められ線維素原剤による腹膜播種性巣の増殖抑制効果が明らかにされた。 SPF下で8週令雄性C57BL16の網嚢壁内にB16メラノームを移植(その初発巣は10日目に切除)。メラノーム移植後3日目よりトロンボキサンA_2合成阻害剤OKY-046投与群(0.75mg、2回/週)、温熱処置群(RF波加温装置により週2回、直腸温43℃)両者併用群の3群を比較した。加温療法群では播種巣に対する抑制効果を認めなかった。しかし、OKY-046投与群およびOKY-046と加温併用群において、特に1mm以上の播種巣で有意(P<0.01)の個数の減少がみられた。OKY-046は着床そのものを抑制するものではなく、その後の播種巣増殖を抑制するものと推測された。 各種治療法のうち、脱線維素原剤、温熱処理、プロスタグランディン合成阻害剤の効果が証明され集学的治療の開発に資する基礎的成績が得られた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 平山廉三 他: 消化器外科. 11. 187-194 (1988)
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[Publications] 平山廉三 他: 癌の臨床別冊、ガン診断治療マニュアル. 別冊. 645-650 (1988)
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[Publications] 平山廉三 他: 消化器外科. 12. 75-80 (1989)
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[Publications] 平山廉三 他: 腫瘍と感染. 2. 1-7 (1989)
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[Publications] Yoshio Mishima;Renzo Hirayama: Wolrd.J.Surgery. 10. 406-411 (1987)
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[Publications] Renzo Hirayama;et al: Cancer. 63. 73-77 (1989)
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[Publications] 平山廉三: "外科学要項 三島好雄、瀬在安幸 編 腫瘍" 朝倉書店, (1987)
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[Publications] 平山廉三: "外科学 三島好雄 監修 小腸" へるす出版, (1989)