1986 Fiscal Year Annual Research Report
同種移植におけるシクロスポリンとドナー抗原併用前投与による特異的寛容状態の誘導
Project/Area Number |
61480271
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岡 隆宏 京府医大, 医学部, 教授 (60079837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安村 忠樹 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10174525)
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Keywords | シクロスポリン / ラット移植腎 / 3M-Kcl抽出抗原 / ドナー血輸血 / active enhancement |
Research Abstract |
近交系ラットBuffaloをドナー、Wister-furthをレシピエントとする同種移植腎の生着期間は、9.2±0.8日(n=6)であったが、これにシクロスポリン(CsA)10mg/kg/日を3日間投与すると、11.8±1.8日(n=17)に延長した。さらに、CsA投与に加えて、移殖前1日目にドナーの3M-Kcl抽出抗原を併用投与すると、19.3±8.8日(n=18)に延長した。つぎに、ドナー抗原としてドナー全血5.0mlを前投与した場合の生着期間は、輸血のみでは7.5±0.8日(n=8)と対照と比べ有意差はなかったが、これにCsA10mg/kg/日を併用投与すると、45.9±20.2日(n=10)と著明に延長した。 CsA併用投与下での至適輸血量をみるために、ドナー全血を0.5ml,1.0ml,2.0ml,5.0ml前投与する各群について生着期間をみると、0.5mlでは14.4±4.5日(n=7)、1.0mlでは28.6±15.6日(n=7)、2.0mlでは34.1±18.6日(n=9)、5.0mlでは45.9±20.2日(n=9)と、輸血量が増えるにしたがって生着期間は有意に延長した。 これら併用投与による長期生着のラットのリンパ球は、ドナーリンパ球とのmixed lymphocyte culture reaction(MLCR)で低反応性を示し、第3者間でのMLCRも抑制した。 このように、CsA単独短期投与で若干延長し、ドナー抗原単独投与では延長しなかった生着期間が、両者の併用により著明に延長したことは、両者のsynergicな効果によってactive enhancementが達成されたことを示唆している。これら長期生着ラットのリンパ球がMLCRを抑制したことは、生着延長効果の発現にサプレッサー細胞が関与していることを示唆している。この抗原前投与の効果はdose dependentであったが、その至適投与量の決定は、今後に残された課題である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takahiro,OKA: Transplantation Proceedings. 19. 2012-2016 (1987)
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[Publications] Norio,YOSHIMURA: Transplantation Proceedings. 19. 1194-1198 (1987)
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[Publications] 安村忠樹: 移植(日本移植学会雑誌). 22. (1987)
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[Publications] 安村忠樹: 移植. 22. (1987)