1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480278
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西坂 剛 農工大, 国立大学(その他), 教授 (40101084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 文男 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10001687)
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Keywords | 手術法 / ウォータージェット / 水噴射流 |
Research Abstract |
1.本研究実施以前に用いていたウォータージェット手術システムはジェット流圧が変動しない定圧型のものであった。一方新たに開発したシステムは低い定圧成分に脈動圧を重乗する定圧重乗型脈動ジェット流方式である。平均平を等しく設定した脈動型ウォータージェットシステムは従来の定圧型と比較すると、臓器の切離、血管の剥離効果に優れることが判明した。そこで本システムにおける最適脈動成分の検討を行い、本年度購入分については再度システム設計を行い新しいタイプのシステムを購入した。 2.ウォータージェットの噴射停止時(スイッチの閉鎖状態)におけるシステムの安全性および耐久性を向上させるため、駆動源であるモーターの回転制御とジェット流の再循環回路を新たにシステムに加えた。これらにより、導水系やハンドピースに加わる水圧が緩和され、安全性、耐久性を向上し得、さらに給水系の水消費量が従来の【1/2】〜【1/3】に減少させることが可能となった。 3.本法は対象臓器組織と索状体(血管ほか)の弾力性、硬度差を利用して実質臓器などの切離を行うものであり、肝硬変症を併発している対象では適応外と考えられていた。しかし、肝硬変症を有する肝癌の部分切除術においても血管の残存は非常に優れ、出血が非常に少なかった。このことから、組織内に僅かな弾力差や硬度差か存在すれば、本法が適応であり、その適応は広いものと考えられた。 4.本研究の目的はウォータージェット手術法の臨床適応に関するものである。このことから本法に関する研究会を設立し、早期(研究年度内)に多数の研究者による検討を仰ぐことも一つの方法と考えた次第である。そして、討論された内容を更に深く検討し、適応を模索してゆく予定である。
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