1986 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトがんのTumor Heterogeneityの解明とその癌治療への応用
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61480280
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| Research Institution | 福井医科大学 |
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Principal Investigator |
谷川 允彦 福井医大, 医学部, 助教授 (00111956)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 弘 福井医科大学, 医学部, 助手 (90184770)
森本 秀樹 福井医科大学, 医学部, 助手 (00182270)
丸橋 和弘 福井医科大学, 医学部, 助手 (60165941)
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| Keywords | Tumor Heterogeneity / 制癌剤感受性 / 原発巣 / 転移巣 / ヌードマウス / Xenograft / 多クローン構成 |
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| Research Abstract |
制癌剤感受性や免疫原性からみて、がんが不均一な細胞群の集合体であり、またその転移巣を構成する細胞群に原発巣のそれに比較した特異性があるか否かといった腫瘍の持つ多様性に関する研究は過去十年余にわたって動物腫瘍をモデルに行なわれてきた。我々の研究成績は、新鮮ヒト腫瘍の制癌剤感受性を、同一患者の原発巣と転移巣、同一患者の異所性転移巣間でそれぞれ比較したところ、転移巣同志の方により強い類似性があることを示唆している。原発巣と転移巣の間の生物学的相違或いは類似性、そして転移巣における特徴をヒトがんにおいて把握することが現行のがん治療成績向上の一助となると考え本研究を施行している。更に検討症例数を蓄積した上記の制癌剤感受性の比較実験は、やはり転移巣間の方により強い相関性を示している。これを各制癌剤別に原発巣と転移巣の感受性を比較してみると抗癌抗生物質やアルキル化剤で両者は比較的相関しているが、ビンカアルカロイド、代謝括抗剤において両者の相関性は全く認めず作用機序の別による差が伺えた。次に新鮮ヒト腫瘍の一部を感受性試験に供し、残部をヌードマウスに移植し、生着後再び一部を感受性試験に、残部を再びヌードマウスに移植する操作の繰り返しからなる連続実験によると、腫瘍の制癌剤感受性はヌードマウスの継代を繰り返すに従い、次第に一定固定化する傾向にあることが示された。この現象は、可移植性動物腫瘍B16黒色腫、ルイス肺癌で行った同様操作の繰り返し移植実験でも確認された。これらの明確な成績はヒトがんの多クローンによるモザイク構成を示唆しており、Xenograft成立と転移巣成立の間に細胞群(或いはクローン)選択上類似性があるか否かは、明年度の興味深い研究課題である。
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[Publications] 谷川允彦,森本秀樹,秋田利明,井上弘,田中猛夫: 癌と化学療法. 13. 1176-1184 (1986)
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[Publications] Matsumoto.S.;Yamamoto,A.;Takahashi,Y.;Hashida,M.;Tanigawa,N.;Sezaki,H.;: Cancer Research. 46. 4463-4468 (1986)
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[Publications] Kern,DH.;Drogemuller,CR.;Kennedy,MC.;Hildebrand Zanki,SU.;Tanigawa,N.;Sondak,VK.: Cancer Research. 45. 5346-5441 (1985)
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[Publications] Tanigawa,N.;Katoh,H.;Kan,N,Mizuno,Y.;Tanimura.H;Satomura,K.;Hikasa,Y.: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 77. 1249-1255 (1986)
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[Publications] Tanigawa,N.;Takahashi,K.;Shimomatsuya,T.;Inomata,Y.;Tanaka,K.;Satomura,K.;Hikasa,YL.;Hashida,,M.;Sezaki,H.: Cancer(Phil.).
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[Publications] Tanigawa,N.;Mizuno,Y;Hashimura,T;Lee,K,Dohmae N.;Hikasa,Y.;Kern,DH;Morton,DL.: Br.J.Cancer.
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[Publications] 谷川允彦: "機能細胞の分離と培養(4.癌患者からの細胞単離 4・1癌細胞の単離と培養 4・1・4軟寒天を用いた培養" 丸善株式会社, 509 (1987)
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[Publications] 谷川允彦: "制癌剤感受性の決定(12.Scintielation assayによる感受性試験" 金原出版株式会社, 234 (1985)
