1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480298
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
大賀 興一 京府医大, 医学部, 講師 (40079843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神吉 豊 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40169785)
和田 行雄 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90167213)
白方 秀二 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80117887)
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Keywords | 心肺移植 / サル / 移植心の神経分布の変化 / モノクロナール抗体 / 酵素組織化学法 |
Research Abstract |
体重7Kgから12Kgの日本猿を用いて心肺同時移植実験を行った。術中術後の計測として、中心静脈圧,左房圧,肺動脈圧,動脈圧,動脈血ガス分析等を行い心肺機能の標価を行ったところ、移植心肺のうち心機能に関しては良好に保たれていることがわかった。しかし移植後時間の経過とともに肺動脈圧の上昇,Pa【CO_2】の低下、肺のコンプライアンスの低下をきたし、低肺機能のため死亡する例が多かった。このような例での肺組織所見は無気肺,間質浮腫,出血が主な所見であった。このため移植時の肺潅流液を東北大学から報告されているEp3液に変更し、これまで肺を膨張させた状態で移植を行っていたものを、圧を抜いた状態で行うよう変更した。このような変更により移植後の肺の状態が良く改善された。移植心の神経切断の様態を知る一方法として刺激伝導系、特に房室結節に多量に分布する神経線維を酵素組織化学法でCh-Eを染色し検討した。移植後5日目までの検討で、神経線維は著るしく減少することなく、Ch-E活性もよく保たれていることがわかった。今後さらに長期にわたる生存例での追跡を行ってゆく。気管支の神経支配の様態を知る目的で、気管支における神経分布を同様にCh-E染色で検索し、気管支腺組織、筋組織に多数のCh-E活性を有する神経線維の分布を認めた。現在移植肺におけるこれらの神経線維の変化を検索している。拒絶反応早期発見の示標とすべく、末梢血リンパ球に関して、モノクロナール抗体を用いて検討を行なっている。まず正常猿の血液で、抗ヒトモノクロナール抗体とのcross reactivityの検討を行い、さらに異所性心臓移植を行った猿で、抗免疫療法を行わず、拒絶反応に至るまでの変化をsingle colorおよびtwocolor analysisを用いて求めたリンパ球のサブセットやLeu3a/2a比,Leu3【a^+】【18^-】/2【a^+】【15^+】比の変動を経時的に測定し拒絶反応を早期に判断する示標を作りつつあり、心肺移植に応用する。
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Research Products
(1 results)