1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480309
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
滝 和郎 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (70144368)
|
Keywords | Cerebpal blood flcu / Oxgen consumption / cerebral isccmia / moyamoya disease / PET |
Research Abstract |
実験)ラット虚血モデルでは, Pulsinelliのモデるを若干変更したものを用い, 虚血30分間の負荷後, 血流を再開し, 脳血流量, 遊離脂肪酸, リン脂質分子種の測定を行なった. 血流再開後, 5分で局所脳血流量は虚血前の値を上回り, 126%から217%の増加を示した. その後は次第に減少し, 30分以後では虚血前値を下回りそれ以後も低下傾向を示した. 血流再開によっても遊離脂肪酸は30分間更に蓄積を続け, その後の30分(血流再開60分)で急に減少し, 虚血前値近くにまで戻り, その後は平衡状態を保った. 個々の脂肪酸は, 総量の変化とほぼ同様に増減に示したが, 20:4,22:6はいち早く減少し, 対照値とほぼ同じレベルに戻ったのに対し, その他の脂肪酸は60〜120分迄の間でも完全には対照値に戻らず, むしろ若干の増加傾向を示した. リン脂質分子種総量の変化については, Diccyl型のPCでは血流再開後も引き続いて分子種総量は減少を続け60分後に最も低い値を示した(P〈0.05)その後はやや増量を示したが, 統計的な有意差は認めなかった. 臨床)"モヤモヤ"病の脳循環, 代謝についてポジトロンCTを用いて解析しており, 今年度は成人発症9例について検討を加えた. 平均年齢43歳で局所脳血流は灰白質で若干の低下を認めたが, 白質, 大脳基低核は正常値を示した. 脳血流量は各部位で延長しており, 酸素消費量も若干の低下があった. したがって成人"モヤモヤ"病では酸素代謝の若干の低下と脳灌流圧の低下が強く疑われ, 循環予備力の低下が示唆された.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 棚田修二;滝和郎他: 核医学. 24. 125-135 (1987)
-
[Publications] 新島京;米川泰弘;滝和郎;半田肇: 脳神経外科. 15. 957-962 (1987)
-
[Publications] Kyo Huang Niijima;Yasuhiro Yonekawa;Hajime Handa;Waro Taki: J.Neurosurg. 67. 579-583 (1987)
-
[Publications] 滝和郎;米川泰弘他: 脳神経外科. (1988)
-
[Publications] W.Taki;Y.Yonekawa et al.: Child's Nervous System.
-
[Publications] M.Ishikawa;H.Kikuchi;W.Taki;A.Kobayashi: Neurosurgery.