1986 Fiscal Year Annual Research Report
悪性骨軟部腫瘍転移巣の化学療法に関する基礎的・臨床的研究
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61480315
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 鉄人 北海道大学, 医学部, 助教授 (70001881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浪 明男 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (20133738)
松野 丈夫 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (10165847)
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Keywords | ヌードマウス移植骨軟部腫瘍 / 人工的肺転移 / 薬剤感受性テスト / 自然肺転移 |
Research Abstract |
長期継代された悪性軟部腫瘍を用いて化学療法実験を行い、inrivoに於ける薬剤感受性試験とした。投与schedueは腫瘍細胞をfreecellの状態で2×【10^6】個、皮下尾静脈より注入し、その1週間後より化学療法を行う。2種類の腫瘍においてA driamycinとMTX,大量療法の判用群とcis-platin群、それに無処置のcontrolの3群で比較した。横紋筋肉腫由来Kushi株では、皮下腫瘍,肺腫瘍とも出現する。この系ではAdriamycinとMTXによる化学療法を行い、combination Chemotherapyでの抗腫瘍効果を観察した。control群では肺腫瘍の増殖は著しく、40日から60日の間に腫瘍死する。この時の肺腫瘍重量は1.33gから1.45gで、体重の約9%になっている。一方化療群では皮下腫瘍は全く認められず、肺腫瘍はいずれも出現するものの小さく、体重に対する比率は約3%と小さい。8週屠殺時までの死亡はなく、延命効果が認められた。また生存日数でみるとcontrol群の平均生存日数が47日であるのに対し、治療群は56日以上である。肺腫瘍でも大きな差が認められ、Adriamycin,MTXによる腫瘍抑制効果がみられた。 次にヒト骨肉腫をヌードマウスに皮下移植し継代維持している系の自然肺転移の有無を検索した。60例のヒト骨肉腫をヌードマウス背部皮下に移植し36例に移植成立している。このうち3代以上に継代された23系のヌードマウスの肺を経時的に病理組織学的に観察した結果2株に明らかな自然肺転移が認められた。su株は継代4代時に肺転移を起し、110代を経過しても同様に転移巣を形成する。腫瘍の背部皮下移植後8週で3〜4個/1切片の転移巣を形成した。TANI株は継代17代時の検索時に転移が認められた。21代の現在は腫瘍の皮下移植12週で10個以上/1切片の転移巣を形成する。両株とも類骨形成能が存在し、今後の肺転移およびその化学療法の研究に有用な実験モデルである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] SASAKI TETSUTO,et al.: Hokkaido J.Med.Sci.61. 257-270 (1986)
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[Publications] SASAKI TETSUTO,et al.: J.Japan.Orthop.Ass.60. 251-261 (1986)
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[Publications] 佐々木鉄人 他: 日本癌学会総会記事. 549 (1986)
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[Publications] YAGI TOMONORI.: O.R.S.Trans.12. 475 (1987)