1987 Fiscal Year Annual Research Report
悪性骨軟部腫瘍転移巣の化学療法に関する基礎的・臨床的研究
Project/Area Number |
61480315
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松野 丈夫 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (10165847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浪 明男 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (20133738)
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Keywords | 化学療法 / 骨肉腫 / フローサイトメトリー |
Research Abstract |
肺転移形成ヌードマウスの後肢部腫瘍(骨肉腫等)を摘出し, 4群に分けた. 既ち, 第1群は化学療法を行わない群, 第2群は通常の化学療法群, 第3群は高濃度の化学療法群, 第4群は他の薬剤(CisーPlatinum,Ifomide)追加投与群とした. これらヌードマウスの皮下腫瘍および肺転移腫瘍に対し, Flow cytometryを用いて化学療法の効果を検討した. Fluoresceine diacetate(FDA)を用いた腫瘍細胞のcell viabilityの検討で, 第4群に著しい Viabilityの低下が認められ,従来より行っていたADR+MTX群より, これらにCisーPlatinumあるいはIfomideを加えた化学療法のほうが, より効果的と考えられた. 化学療法によるDNApatternの変化は認められなかった. これらの結果から, 昭和62年度は骨原発悪性腫瘍患者(骨肉腫・Ewing内腫血菅内腫)4名に対して, ADR+MT×+Ifomide療法を, 悪性軟部腫瘍(横紋筋肉腫・悪性線維性組織球腫)2名に対してADR+cisーplatinum+Ifomide療法を行った. 骨肉腫患者2名及び血菅肉腫患者1名はPartial responseを示し, Ewing肉腫の1名は手術療法を全く行い得なかったにもかかわらず, 発症後1年を経過した現在100%腫瘍の浸潤及び肺転移を抑えることが可能であった. 亜性軟部腫瘍患者の内,横紋筋肉腫の1名はpartial responseを示し, 骨盤に発生した悪性線維性組織球腫の1名は術後6カ月の現在再発・転移を認めておらず, 化学療法の効果と考えられた. 経過観察期間は短いが, 本化学療法は悪性骨及び軟部腫瘍に対して充分な効果が期待されると考えられる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 松野文夫;Henry J.Mankin,et,al: 整形・災害外科. 30(10). 1317-1330 (1987)
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[Publications] Tekeo Matsuno;Mark C.Gebhardt,et al: Journal of Bone and Joint Surgery.