1987 Fiscal Year Annual Research Report
医療用ロボット(特に歩行訓練用ロボット)の開発と臨床応用
Project/Area Number |
61480318
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
赤松 功也 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10057094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井手 隆俊 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60159853)
中島 育昌 山梨医科大学, 医学部, 講師 (70057024)
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Keywords | 医療用ロボット / 寝たきり老人 / 老人保健施設 / 歩行訓練装置 / 高令化社会 |
Research Abstract |
高令化社会を迎えつつある我が国において, さまざまな疾患による歩行困難あるいは不能者は次第に増加し, 寝たきり老人や歩行困難な症例の歩行能力を少しでも取り戻すことが可能であれば, 患者の家庭や社会復帰を従すことができ, ひいては健康・福祉予算の削減にも寄与する. このような観点から, 主として老人の歩行訓練のあり方を検討すると共に,従来の訓練方法にかわす新らしい方法として歩行訓練装置を開発し, その臨床効果について検討した. この装置は圧縮空気を用いて患者を吊り上げ, わずかな筋力でも歩行訓練が可能となるものであり, われわれはこれを歩行訓練用ロボット・エイドワンと呼んでいる. 本装置の機械的部分はすでに現有していたため, 本科学研究費では制御関連部分を新らたに作製した. このような装置は, 直接人体をあつかうため, 安全性がまず問題となる. そこでこれらの点を十分に配慮し, 厳重な医師ならびに理学療法師のかんとくの下に試用し, 安全性を確認した. これ迄本装置を用いて訓練をおこなったのは86症例である. そしてこのうち, 80才以上の大腿骨頚部外測骨折手術後の歩行訓練に本装置を用いた結果, きわめて良好な結果が得られた. また, 老人性痴呆の改善や, 患者の歩行に対する積極的を引き出すことができた. 本装置の開発経過ならびに臨床応用に関して, 第25回日本人工臓器学会をはじめ多数発表し好評を得た. またジャパンタイムス,NHKをはじめとする各マスコミ等に取り上げられた. さらに, 千葉県に設置されたモデル老人保健施設に, 実用試作機を導入, 試用し, 前厚生大臣斉藤氏の視察を受け好評を賜った.
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[Publications] 井手隆俊: 関東整形災害外科学会雑誌. 18. 149-152 (1987)
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[Publications] 井手隆俊: 別冊整形外科NO.11. 11. 234-237 (1987)
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[Publications] 井手隆俊: 日本リウマチ・関節外科学会雑誌. 6. 499-505 (1987)