1986 Fiscal Year Annual Research Report
膝肉障各種疾患の関節軟骨病変の発生機序,予防,治療に関する研究
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61480323
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
今井 望 東海大, 医学部, 教授 (30055743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 洋 東海大学, 医学部, 助手 (50188679)
戸松 泰介 東海大学, 医学部, 助教授 (40112693)
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Keywords | 関節軟骨 / 骨軟骨々折 / 離断性骨軟骨炎 / 軟骨軟化症 / 膝蓋大腿関節適合不良 / バイオメカニックス / X線学的研究 |
Research Abstract |
本年度研究においては、骨軟骨病変の発生機序に関する力学的研究(基礎編)と膝蓋大腿関節適合不良障害に関する臨床的ならびにX線学的研究(臨床編)について発表を行い一応の結論をえた。基礎編においては、豚膝関節の大腿軟関節面に衝撃的剪断力を加えて骨軟骨病変を発生させ、この病変が種々の膝内障における軟骨病変の発生との関りについて多くの興味ある結果を得た。即ち骨軟骨病変は衝撃スピード,衝撃エネルギー,衝撃時の軟骨,軟骨下骨骨梁の方向と衝撃力の方向など、力学的条件によって骨軟骨の損傷部位,拡がり,形態がきまってくることが証明された。一般的に関節軟骨に加わる衝撃スピードが早い場合には、主に関節軟骨表面より損傷が生じ、衝撃スピードがむしろ低い場合には、関節軟骨損傷が生じないにもかかわらず軟骨下骨,軟骨内部の損傷が生ずる。又、一定以上の衝撃エネルギーが与えられれば、関節軟骨のみならず、軟骨下骨組織の損傷も生じ、混合した損傷形態となる。この事実は骨軟骨病変を主とする骨軟骨々折,離断性骨軟骨炎,軟骨軟化症の発生のモデルとして興味あるものと言える。 臨床的研究では膝蓋大腿関節適合不良について行った。本疾患は膝蓋骨関節軟骨に種々の病変を発生することで知られているが何故この種にバラエティーに豊んだ病変を生ずるかに関しては必ずしも一致した意見はない。病態解明のため621例1242関節について膝蓋大腿関節の適合性を膝蓋大腿関節動的軸射造影法によって観察を行い適合性の程度を第一度より第四度にまで分類した。この結果適合性の悪い第三度,四度に臨床的に適合不良障害の症状が多くみられ同時に膝蓋軟骨軟化症,骨軟骨骨折,離断性骨軟骨炎などの軟骨病変が多くみられた。この事実は前述の基礎編の研究とも多くの点で符合し病態の発生機序の点で興味ある結果といえる。
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Research Products
(2 results)