1986 Fiscal Year Annual Research Report
虚血心筋代謝に与えるハイパーサーミアと麻酔薬の影響
Project/Area Number |
61480331
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
田中 行夫 山梨医大, 医学部, 助手 (40155180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真鍋 雅信 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (90114785)
樫本 温 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60152633)
熊澤 光生 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10092404)
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Keywords | Working heart preparation / ハイパーサーミア / 心筋虚血 |
Research Abstract |
Working heart preparationを用い、基礎実験として心筋内温度を37℃,40℃の2群の設定とし、各々の心血行力学的および心筋代謝の測定を行なった。実験方法は、SD系雄性ラット250〜300gを用いペントバルタール30mg/kg腹腔内注射により麻酔し、すみやかに心臓を取り出しランゲンドルフ回路に装置し、心拍が安定したところでWorking heart preparation回路に変更した。回路内灌流液は、Krebs-Henseleit bufferを用い、心筋内温度測定用プローブを左心室壁に刺入しこの測定温度を心筋温度とし、37℃,40℃各々安定するように灌流液温度を調節した。各温度各々30分間灌流し、その間の血圧,脈拍,心拍出量を測定した。また灌流終了後心臓を液体窒素で凍結し、心筋内ATP,AMP,ADP,Lactateを測定した。次に37℃,40℃について回路に取り付けた一方向性ボールバルブを用い心筋に虚血を20分かけ、その後虚血を解除し20分好気的に再灌流し、虚血前後の血圧,脈拍,心拍出量を観察した。 〈実験結果〉 1.心筋に虚血をかけない好気的状態の灌流では、37℃,40℃、それぞれの温度差で有位な心血行力学的変化を認めなかった。また代謝面においても各群間に有位な変化はなくATP,AMP,ADPから算出されるEnergyc hargeに変化はなかった。 2.37℃,40℃の各群の20分虚血,20分再灌流では、虚血解除後再灌流時に40℃で血圧の回復遅延傾向を認めた。心筋内代謝産物は、測定中である。 〈今後の実験計画〉ハイパーサーミアにおける心筋内温度を42℃,44℃に上昇させ、さらに各温度で心虚血を作製し、心血行力学および心筋代謝の観察を加え、灌流時間の検討を行なう。
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