1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480350
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 崇英 京大, 医学部, 教授 (90026865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伴 千秋 京都大学, 医学部, 助手 (30181043)
泰井 俊造 京都大学, 医学部, 講師 (60144367)
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Keywords | ヒト黄体機能 / 調節機構 / LH-RH静脈内投与 / 黄体機能不全 / 莢膜黄体細胞 / 顆粒膜黄体細胞 / ゴナドトロピン / プロラクチン |
Research Abstract |
昭和61年度の研究結果については昭和62年度の計画調書に報告した通り、in vitroに比べてin vivoの研究がやや遅れている。したがってここではin vitroの研究成果を報告したい。ヒト黄体を密度勾配法によりlarge cell(L)、smallcell(S)の2型細胞に分離し、それぞれの性ステロイド生合成機能及びゴナドトロピンの影響について比較検討した。開花期月経黄体を患者の同意を得て採取し、酵素処理後、Percoll密度勾配法により密度の小さい方からC-1〜C-4分画に分離した。直径20〜30μmの細胞が認められるC-1、C-2分画を合わせてL、直径5〜20μmが認められるC-3、C-4分画を合わせてSとした。L、S分画の細胞懸濁液に基質を加えない群(A群)、基質としてandrostenedione(A)1μg/ml加えた群(B群)それぞれにhCG5IU/ml、FSH1μg/ml付加し、37℃4〜24時間incubationを行い、medium中に放出されたprogesterone(P)、A、testosterone(T)、estrone(【E_1】)、estradiol(【E_2】)をRIAにて測定した。A群において、P産生はLの方が有意に高く、一方A、T産生はSの方が有意に高かった。hCGを付加した時のP、A、T産生は、Sではそれぞれ2.0倍,1.73倍,1.71倍と有意な増加を示したが、Lでは増加傾向を認めるにとどまった。FSHはP、A、T産生に対して影響を与えなかった。B群において、estrogen産生能つまりaromatase活性は、Lの方が有意に高かった。FSHを付加した時、Aからの【E_1】+【E_2】産生はLで20〜28%の有意な増加を示したが、Sでは非添加群と差がなかった。hCGは、estrogen産生に対して影響を与えなかった。androgen産生はSの方が高くhCGにより有意に増加し、一方aromatase活性はLの方が高くFSHにより有意に増加するという結果が得られた。このことよりヒト黄体のL、S両細胞の性ステロイド生合成機能は、卵胞の2型細胞に類似し、黄体機能の正常な発現のためにはLHのみではなくFSHも必要であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)