1986 Fiscal Year Annual Research Report
鼻過敏症における鼻粘膜過敏性の発生機序に関する研究
Project/Area Number |
61480354
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
今野 昭義 秋大, 医学部, 助教授 (70009497)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花沢 秀 秋田大学, 医学部, 助手 (20125735)
伊藤 永子 秋田大学, 医学部, 助手 (90006734)
|
Keywords | 鼻粘膜過敏性 / IgE抗体値 / IgG抗体値 / 血小板活性因子(PAF) ロイコトリエン |
Research Abstract |
(1)抗原感作および抗原誘発が鼻粘膜ヒスタミン過敏性に与える影響を検討した。モルモットを2群に分け、【I】群では卵白アルブミン、水酸化アルミニウムを用いて2週間間隔で7回腹腔内感作し、2週間後に卵白アルブミン生食水溶液の点鼻により7日間連続誘発を行った。【II】群では超音波ネブライザーを用いて卵白アルブミンを7日間吸入感作し、7日後に卵白アルブミン点鼻誘発を7日間連続した。経時的にPCA反応によって血清IgE、IgG抗体値を測定し、同時に鼻粘膜ヒスタミン過敏性の変化を追跡した。【I】群では腹腔内感作によって血清抗体値は高度に上昇したが、鼻粘膜ヒスタミン過敏性の亢進は軽度であった。しかし点鼻誘発の反覆後、鼻粘膜過敏性は著明に亢進した。【II】群では、血清抗体値上昇は軽度であるにもかかわらず、鼻粘膜過敏性は著明に亢進した。以上の成績は鼻粘膜過敏性の亢進と抗原抗体反応反覆の結果鼻粘膜で遊離されるchemical mediotorとの関連を示唆した。(2)鼻過敏症状の発現と鼻粘膜過敏性の亢進にPAFおよびLTがどの程度関与するかを検討した。鼻アレルギー症例においてはPAF6μgおよび50μg点鼻によって鼻腔通気抵抗は有意に増加し、その程度はヒスタミンの4〜6倍であった。また鼻汁分泌も有意に増加した。正常被検者においてもPAF6μgおよび50μg点鼻で通気抵抗値の増加が、また50μgで鼻汁分泌亢進がみられたがその程度は鼻アレルギーと比較すると軽度であった。PAF前処置によってヒスタミンによって誘発される鼻粘膜腫脹は有意に増加された。LT【C_4】、LT【D_4】0.04μg鼻粘膜投与によって鼻汁分泌が、またLT【D_4】0.4μgによって鼻粘膜腫脹がみられた。RIA高速液体クロマトグラフィーを併用してハウスダスト鼻粘膜誘発時の鼻汁中LT【C_4】、LT【D_4】量を測定したが、10分誘発期間中のLT【C_4】、LT【D_4】量はそれぞれ2.43±0.85、2.72土0.52μgであった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] A.Konno: J.Allergy and Clinical Immunology.
-
[Publications] 寺田修久: 日本耳鼻咽喉科学会会報.
-
[Publications] 今野昭義: 現代医療.
-
[Publications] 今野昭義: 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー研究会誌.