1986 Fiscal Year Annual Research Report
副鼻腔の内視鏡下マイクロサージェリーの開発と体系化
Project/Area Number |
61480362
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
山下 公一 金沢医大, 医学部, 教授 (20064503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 周興 金沢医科大学, 医学部, 助手 (60178655)
高野 正美 金沢医科大学, 医学部, 助手 (60187987)
堤内 邦彦 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (70014355)
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Keywords | 内視鏡下マイクロサージェリー / 内視鏡下鼻内手術 / 副鼻腔炎手術 / 副鼻腔の三次元画像解析 |
Research Abstract |
(1)副鼻腔鼻内手術に用いられる内視鏡について検討した。 本研究の最大の目的の一つである副鼻腔内でマイクロサージカルな手術が行えるようにする方法として既存の各種の硬性鏡、撓性鏡を検討し、さらに硬性・撓性鏡を試作して検討した。結果は外径の限界が最大4mm、視野角は80°前後が適当、有効長は15cm程度のものが適している。硬性鏡は保持、オリエンテーションに優れるが、深部への到達に問題があり、撓性鏡は保持と画像の明瞭さに問題があった。硬性・撓性鏡の試作を行っているが、なお保持に問題があり改良を重ねる予定である。最終目標は一般化できる器材と方法を提示することである。 (2)内視鏡ビデオによる手術の記録と供覧法について検討している: 手術に関する討議、教育に有用であるが、国産,外国産の各種TVカメラを検討対象としたが、本手術システムに問題なく使用できるものは現状では皆無であった。重要な問題でありなお検討を続けている。 (3)副鼻腔炎の鼻内手術による治療の臨床的研究を行った: 慢性副鼻腔炎40症例65側について内視鏡下鼻内手術を行い、その術後経過を観察検討した。43%は両鼻腔の構造を保存して完治し、残りの53%は少数例を除いて軽快を示したがなお炎症が持続していた。治癒を阻む因子は多く今後の研究の対象となるが、上記の結果から、慢性副鼻腔炎の手術的治療法は、Caldwell-Luc手術は第二選択とて、鼻内手術を第一選択とするべきであり、結果を向上するためにも内視鏡手術の導入が重要であると結論された。 (4)各個の症例の副鼻腔とくに篩骨蜂巣の立体構築の検討を開始した: 各個の症例の副鼻腔の立体構築と罹患状態を術前に把握するため、CTのスライス像からコンピュータを用いて三次元画像解析を行う方法を検討し、その実用化の可能性を研究している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山下公一: JOHNS. 3. 233-242 (1987)
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[Publications] 高野正美: 金沢医科大学雑誌. 12. (1987)
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[Publications] 山下公一: Proceedings of International Workshop for Video and Film Documentation in Otorhinolaryngology(Springer Verlag,Berlin/Heidelberg). (1987)