1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480365
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
瀬川 雄三 信大, 医学部, 教授 (70020857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 敬三 信州大学, 医学部眼科学教室, 助手 (90156125)
裏川 佳夫 信州大学, 医学部眼科学教室, 助手 (10160334)
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Keywords | 線維柱帯 / 培養 / 透過電顕 / 走査電顕 / 正常人眼 / 房水流出路 |
Research Abstract |
実験開始初期には感染といったアクシデントも経験したが、以後は培養手法にもなれ、3月16日現在、アイバンクより得た正常人眼15眼全例の器官培養に成功しており8週間以上の培養が可能となっている。従来の研究では培養開始後3日にして、葡萄膜網並びにSchlemm管壁の細胞が脱落するとされていたが、我々の方法では7週間(49日)迄は網状組織のみならずSchlemm管壁の細胞も開始前と殆ど同じ形態で存在しており、その他の網状組織形態も変化を示していないので、人眼線維柱網状組織の器官培養が少なくとも49日間は可能であることが明らかになった。8週に入ると1眼では葡萄膜網とSchlemm管の細胞が脱落をはじめたが、全例そうなるかどうかは目下経過観察中である。人眼線維柱帯の長期にわたる器官培養が可能になったため、現在Argon laser trabeculoplastyを行なった後線維柱帯がどのように変化していくかを経時的に観察しており、Argon laser trabeculoplastyの作用機序としてWise等のいうTrabecular tighteningとは異なった機序の関与が示唆されてきている。その他まだ結論はでていないが、線維柱帯に対する鉄,金,銅の影響、更にコンドロイチン硫酸,ヒアルロン酸,シリコン,更に抗生物質の影響が検討されつつある。正常人眼にひきつづいて緑内障眼を原発,続発,開放,閉塞隅角にわけ線維柱帯の器官培養を行ない正常眼との比較を行ない緑内障の病因の解明へと実験をすすめていく予定である。
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[Publications] 裏川佳夫: 日本眼科学会雑誌. 91. (1987)
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[Publications] 宮崎守人: 日本眼科学会雑誌.
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[Publications] 裏川佳夫: 日本眼科学会雑誌.
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[Publications] 宮崎守人: 日本眼科学会雑誌.