1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480372
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
筒井 純 川崎医大, 医学部, 教授 (60068947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 小久子 川崎医科大学, 眼科学教室, 病院主任視能訓練士
市橋 宏亮 川崎医科大学, 眼科学教室, 助手 (50159844)
福島 正文 川崎医科大学, 眼科学教室, 講師 (60173340)
石 幸雄 川崎医科大学, 眼科学教室, 講師 (90104801)
調 輝男 川崎医科大学, 人体病理学教室, 助教授 (50069027)
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Keywords | 脳幹電位 / 短潜時視覚誘発反応 / 眼球運動準備電位 / 脳幹中継放電 / 遠隔野電位 |
Research Abstract |
1.視性脳幹電位の脳電位図の確定 聴性の脳幹電位は頭皮上から特徴ある帯電地図として捉えることができる。この事実を再確認して未知の視機能性脳幹電位を同定するため、断頭した豚脳の植込電極実験を行って、脳幹部発射電流の頭皮上分布の特徴を動的脳電位図法で確定した。さらに現在臨床に応用されている聴性脳幹反応についてヒトにおける脳幹電位図の特徴を求めて、視機能性脳幹電位の同定の対照とした。その結果視機能性においても遠隔野電位の脳図を認めた。 2.短潜時視覚誘発反応 眼から視中枢までの視路伝導を測定する方法を確立し、この中に含まれる視路脳幹電位の要素を分析した。脳幹電位と思われるものは26msec頃から陰性帯電として出現をはじめ40msecで最大に達する。その後50msec-60msecにかけて脳幹由来と思われる陽性焦点が出現する。さらにこれらの陰性陽性反応には、それぞれ数回の発射電位が含まれ、視覚伝導の中継核群の放電と考えられる。 3.眼球運動に先行する脳幹電位 衝動性眼球運動の直前15〜20msecより運動初期にかけて頭頂部から出現する電位を脳幹電位としての同定を完了した。さらにこの電位には数回の発射があることを発見したが、中脳附近に散在する眼球運動の発生源である神経核群の放電であろうと考えられる。これらの電位は視運動眼振や自発眼振の急速相の直前にも認められた。 4.簡易測定法の開発 1〜3の実験はすべて頭皮上に設置した12または16個の電極から誘導されたものであるが、臨床的な実用法として4チャンネルシグナルプロセッサーでの分析を開発した。頭皮上電極は4個を1組として脳幹用,後頭用,全中心線用の3種のモンタージュを使い分けすることにより、短潜時誘発反応の診断を可能にすることができた。
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[Publications] Jun Tsutsui: Neuro-ophthalmology. 6. 247-255 (1986)
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[Publications] Jun Tsutsui: Documenta Ophthalmologica. 63. 13-21 (1986)
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[Publications] 筒井純: 日本眼科学会雑誌. 90. 1462-1473 (1986)
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[Publications] 筒井純: 臨床眼科投稿中.
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[Publications] Jun Tsutsui: "Highlight of Neuro-Ophthalmology:Dynamic topography of the brainstem potentials of visual sensorial and motor functions" Aeolus Press(Amsterdam), (1987)