1986 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織の再生におけるフィブロネクチンの役割に関する実験的研究
Project/Area Number |
61480377
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山村 武夫 東京歯大, 歯学部, 教授 (70085695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 裕一 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90147257)
井上 孝 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (20125008)
田中 陽一 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30085831)
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Keywords | 歯周組織の再生 / 線維性結合 / 接着性糖蛋白 / フィブロネクチン / コラーゲン(【I】型) / 化学的走性 / クエン酸処理 |
Research Abstract |
歯周組織の再生は歯牙と歯槽骨が結合織性に結合することによってはじめて可能となる。近年、結合織性結合と関連して注目を集めているのが接着性糖蛋白であるフィブロネクチンと線維芽細胞に対して化学的走性を示す【I】型コラーゲンである。我々は以下に述べるような実験を行ない、フィブロネクチンと線維芽細胞およびコラーゲンとの相関について若干の成績を得ることができた。すなわち、培養したヒト歯肉の線維芽細胞上に種々の処理(フィブロネクチンのコーティング、未処置の歯根、歯根表面の軟組織を除去、歯根セメント質を除去、さらにクエン酸処理)を施した歯根の輪切りを載せ、歯根の輪切りに対する細胞の動態を検索した。その結果、歯根をクエン酸処理し、表面にセメント質ないし象牙質基質が露出した群、およびフィブロネクチンをコーティングした群では、未処置の群に比べ細胞が顕著に歯根に向って移動し、密に配列していた。このことから、ヒト歯肉由来の線維芽細胞は【I】型コラーゲンとフィブロネクチンに対し、強い化学走性をもつことが示唆された。さらに、歯周治療に際し、これらの物質を応用することにより、より速やかに歯根表面に線維性の結合を獲得できるものと考えられた。 現在、歯周組織の障害時(実験的)に出現するフィブロネクチンの局在について免疫組織化学的方法により検索中である。さらに歯根に向って移動する細胞の形態、特性についても電子顕微鏡などの方法を用いて検討中である。
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[Publications] 井上孝: 歯界展望. 67. 1027-1037 (1986)
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[Publications] 下野正基: ザ・クインテッセンス. 5. 1044-1055 (1986)
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[Publications] Sadamitsu HASHIMOTO: J.Periodont.Res.21. 510-520 (1986)
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[Publications] 下野正基: 日本歯科医師会雑誌. 39. 809-818 (1986)
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[Publications] 山村武夫: 日本歯内療法協会雑誌. 7. 1-20 (1986)
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[Publications] 井上孝: 歯科ジャーナル. 25. 147-157 (1987)
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[Publications] 下野正基,山村武夫監修: "治癒の病理,第1編5章「歯周組織の再生」" 医歯薬出版, (1987)
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[Publications] 下野正基,歯根膜靭帯懇話会編: "歯根膜(靭帯)の科学.第8章「歯根膜靭帯の再生と歯周病治療の関連」" グノーシス出版, (1987)