1986 Fiscal Year Annual Research Report
フオスフオフオリンの生体内分布とその精製-単一クーロン抗体を用いたアプローチ
Project/Area Number |
61480391
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中間 孝子 鹿大, 歯学部, 助手 (60128444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 修 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (70128445)
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Keywords | 象牙質 / 骨 / フォスフォフォリン / りん蛋白質 / 石灰化 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
フォスフォフォリンの抗体-アフィニティクロマトグラフィを行なうために、親和性の高い抗体を産生するハイブリドーマの検索を行なった。これまで、約10種のハイブリドーマをクローン化したが、いずれもアフィニティクロマトグラフィに適する程の親和性がなく、現在さらに新しいハイブリドーマを得るべく、マウスを免疫中である。なお、本年度購入したプログラムフリーザーは、ハイブリドーマを凍結保存する際に用いた。 また、ウシ胎仔より得た歯胚を用いて、フォスフォフォリンの生体内分布を電顕免疫化学的手法により検討したところ、フォスフォフォリンの存在を示す金コロイド粒子が、象牙芽細胞突起内の細線維に沿って観察された。その局在は、特に突起の細胞膜直下に顕著であり、また象牙前質(PD)の象牙質(D)側約1/3からPD-D境にかけて、突起表面の内外に粒子の頻度が徐々に高くなった。そして、PD-D境のD側に最も高い局圧密度を認めた。このことは、フォスフォフォリンが突起表層を通って、所謂石灰化前線に向け輸送されていることを示唆するものである。この徴細分布については、現在さらに詳しく検討中である。 一方、予備実験でフォスフォフォリン様物質の存在が認められたウシ胎仔長幹骨より、抗体反応性物質を抽出し、Q-セファロースによる粗精製を行なった。得られた粗精製標品は、本年度に購入した高速電気泳動装置を用いて遷元剤存在下にSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行なったところ、分子量約65,000のりん蛋白質であった。これについては、さらに高速液体クロマトグラフィ等による精製を行ない、アミノ酸組成等の物理化学的性状を明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中間孝子: 日本骨代謝学会雑誌. 4. 54 (1986)
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[Publications] 中間孝子: 歯科基礎医学会雑誌. 28. 175 (1986)
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[Publications] 中村修: 歯科基礎医学会雑誌. 28. 176 (1986)
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[Publications] 中間孝子: 解剖学雑誌. 62. (1987)