1986 Fiscal Year Annual Research Report
ラットならびにマウス顎腺のアンドロゲンの遺伝子活性化機構
Project/Area Number |
61480392
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
太田 稔 岩手医大, 歯学部, 教授 (70048255)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 優子 岩手医科大学, 歯学部口腔生化学講座, P.D. (10164667)
黒川 理樹 岩手医科大学, 歯学部口腔生化学講座, 助手 (70170107)
客本 斉子 岩手医科大学, 歯学部口腔生化学講座, 助手 (90118274)
根本 孝幸 岩手医科大学, 歯学部口腔生化学講座, 講師 (90164665)
佐藤 詔子 岩手医科大学, 歯学部口腔生化学講座, 助教授 (00048399)
|
Keywords | 顎下腺 / 肝臓 / アンドロゲン / アンドロゲンレセプター / グルココルチコイドレセプター |
Research Abstract |
1.ラット顎下腺細胞質アンドロゲンレセプター(AR)の分子形態の検索 活性型AR(沈降係数4S)はKclやATPなどの活性化誘導因子を除去した後に密度勾配遠心分析を行うと沈降係数が6-8Sに上昇した。この変換機構として細胞質RNAのレセプターへの結合が考えられたので6-8Sレセプター(変換型レセプター)をRNase処理した結果、4.5Sに沈降係数のシフトを認めた。またRNase-Sepharose処理後の変換型レセプターに顎下腺由来のRNAを添加することにより5.8Sへのシフトを認めた。以上から4S活性型ARの6-8Sへの変化は活性型ARにRNAが結合することにより惹起されることを知った。 2.ステロイド非結合性88-KDaタンパク質の精製 ラット肝細胞質からProtamine-Sepharose,ゲルロ過,DEAE-クロマトグラフィ手技によりステロイド非結合性88-KDaタンパク質を精製するとともにこのタンパク質に対するポリクローナル抗体を作製した。この88-KDaタンパク質がラット肝グルココルチコイド、顎下腺アンドロゲン、子宮エストロゲンの非活性型レセプターの共通のサブユニットであることを見い出した。また88-KDaタンパク質のアミノ酸組成はHeLa細胞や酵母由来のheat shockタンパク質にきわめて類似していることを知った。 3.ラット肝グルココルチコイドレセプター(GcR)ならびに顎下腺ARのProtamine-ならびにArginine-Sepharoseとの相互作用について 作成したProtamine-ならびにArginine-Sepharoseへのラット肝細胞質GcRの結合を検討したところGcRはProtamine-Sepharoseカラムでは0-0.5MNaclの広範囲にわたり溶出された。一方Arginine-Sepharoseカラムでは0.05MNaclで溶出された。またこれら樹脂とラット顎下腺ARの相互作用はGcRのそれと同様であった。GcRやARは88-KDaタンパク質を介してprotamineのarginine残基と静電気的に結合することが推測された。
|