1987 Fiscal Year Annual Research Report
ラットならびにマウス顎下腺のアンドロゲンの遺伝子活性化機構
Project/Area Number |
61480392
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
太田 稔 岩手医科大学, 歯学部・口腔生化学構座, 教授 (70048255)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 優子 岩手医科大学, 歯学部・口腔生化学講座, 特別研究員 (10164667)
黒川 理樹 岩手医科大学, 歯学部・口腔生化学講座, 助手 (70170107)
客本 斉子 岩手医科大学, 歯学部・口腔生化学講座, 助手 (90118274)
根本 孝幸 岩手医科大学, 歯学部・口腔生化学講座, 講師 (90164665)
|
Keywords | 顎下腺 / 肝臓 / アンドロゲン / アンドロゲンレセプター / グルココルチコイドレセプター |
Research Abstract |
1.アンドロゲン(A)とグルココルチコイド(G)レセプター(R)の酸活条件下での安定性と活性化:ラット顎下線ならびに肝細胞質をTrisーHCl緩衝液で調製し, これを, pH2ー7.3以下で合成Aの〔^3H〕miboleroneあるいは合成Gの〔^3H〕triamcinolone acetonide(TA)と0℃でインキュベートしたところ〔^3H〕リガンド結合能はpH6.5から減少し, 4以下で消失した. この際細胞質タンパク質はpH5.5以下で沈澱したが, 生じた沈澱をpH7.3緩衝液に再溶解した後に〔3H〕Mや〔^3H〕TAを加えるとリガンド結合能はpH5.5ー4.5の沈澱で完全に回復し, またARとGRはDNAーcelluloseに結合せず非活性型であった. pH4.5ー4.0の沈澱ではDNAーcelluloseへの結合量は増加し, 酸性条件でARとGRのリガンド非依存性の活性化が惹起された. pH4以下では結合能の回復はなくRの不可逆的変化が起った. すなわちポストラベルではpH6.5以下の〔^3H〕Mと〔^3H〕TA結合能の減少はARやGRの変性とは異なる現象である. 2.ラットARならびkGRの核への相互作用:ラット顎下腺ならびに肝から調製した細胞質Rを〔^3H〕Mや〔3H〕TAで標識後, 硫安塩析により部分精製した. 一方,2.2Mショ糖液を用いて顎下腺あるいは肝より精製核を得た. AR複合体ならびにGR複合体を核とインキュベートし,得られたARやGRー核結合物にmicrococcal nucleaseを0℃で5ー60分作用した. 可溶性画分中のクロマチン断片を密度勾配遠心法により分離した結果, レセプター複合体と共に沈降するmonoー,diー,trinucleosomeを認め, 特にmononucleosomeがインキュベート時間と共に増加した. またnuclease処理したARならびにGRー核結合物をMg^<2+>溶性, 不溶性画分に分離し, 〔^3H〕活性とDNAの分布を調べた. Mg^<2+>溶性画分中の放射活性は高く, 一方Mg^<2+>不溶性画分では〔^3H〕活性を有するoligonucleosome以上のクロユチン断片の存在が顕著であった. これらのことより核内でのAR複合体ならびにGR複合体の相互作用部位はnucleosomeに感受性をもつ転写活性の高いクロマチン領域にあることが示唆された.
|
-
[Publications] Takayuki.Nemoto: J.Biochemistry. 102. 513-523 (1987)
-
[Publications] Seiko.Kyakumoto: J.Endocrinology. 115. 411-418 (1987)
-
[Publications] Takayuki.Nemoto: J.Biochemistry. 102. 513-523 (1987)
-
[Publications] Riki.Kurokawa: J.Endocrinology. 116. 451-455 (1988)
-
[Publications] Takayuki.Nemoto: J.Biochim. (1988)
-
[Publications] Takayuki.Nemoto: J.steroid Biochem.