1986 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う総義歯床下粘膜の変化に関する総義歯学的見地からの検討
Project/Area Number |
61480409
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
溝上 隆男 東京歯大, 歯学部, 教授 (90085712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 孝 東京歯科大学, 助手
小泉 好正 東京歯科大学, 助手
尾松 素樹 東京歯科大学, 講師
櫻井 薫 東京歯科大学, 講師
名波 智章 東京歯科大学, 助教授
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Keywords | 義歯床下粘膜の加齢変化 / 義歯床下粘膜の圧負担能 / 義歯床下粘膜の性状 / 義歯床下粘膜の厚径 / 義歯床下粘膜の被圧変位性 / 義歯床下粘膜の緊張度 |
Research Abstract |
1目的:義歯床下粘膜は加齢に伴って変化するが、これに直接的に対応する補綴学的な検討は行なわれていない。我々は高齢者に対しての総義歯補綴の術式の確立を目的とし、加齢に伴う粘膜の変化を検討するために、圧感覚の変化、圧負担能の変化、厚径の変化およびその物理的性状の変化の調査をする。昭和61年度には粘膜の厚径を計測するための超音波診断装置について探触子形態の検討と精度の検討をし、物理的性状に関しては粘膜の緊張度の計測を試みた。 2方法:(1)探触子形態について;有歯顎者3名に対して計測点を口蓋部粘膜に設定し、探触子が各計測点に正確に設定できるかを検討した。(2)精度について;寒天印象材で製作した試料の厚径について超音波診断装置による計測値と万能投影器によって拡大した計測値とから検討した。(3)粘膜の緊張度について;有歯顎者を対象に粘膜の厚径と被圧変位量との関係から検討した。3成績および考察:(1)探触子形態について;計測点のうち正中で後方の計測点の全ておよび側方で後方の計測点の一部では現存の探触子を正確に設定できなかった。今後その寸法や設置状態についての検討が必要である。特に探触子の角度あるいは粘膜との接触部の形態の改良が必要である。(2)精度について;2mm以上の厚径をもつ試料では0.1mm程度大きい計測値が得られた。この原因は探触子の手指による固定あるいは装置の構造によるものか不明であるが、対処の方法については62年度に検討する。(3)口蓋粘膜の厚径と被圧変位性について;口蓋粘膜の厚径と当該部の被圧変位量を計測した結果、厚径の大小と被圧変位量の大小とが一致するとはかぎらず両者の関係は粘膜の緊張度を握む一つの手段となると思われる。本調査の結果は昭和62年6月の東京歯科大学学会で発表の予定である。
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