1988 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う総義歯床下粘膜の変化に関する総義歯学的見地からの検討
Project/Area Number |
61480409
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
溝上 隆男 東京歯科大学, 教授 (90085712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 孝 東京歯科大学, 助手 (70147247)
小泉 好正 東京歯科大学, 助手 (60147246)
尾松 素樹 東京歯科大学, 講師 (60160941)
櫻井 薫 東京歯科大学, 講師 (20153950)
名波 智章 東京歯科大学, 助教授 (90085796)
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Keywords | 義歯床下粘膜の加齢変化 / 義歯床下粘膜の性状 / 歯槽堤の形態 / 義歯床下粘膜の圧感覚 / 義歯床下粘膜の厚径 / 義歯床下粘膜の被圧変位性 / 義歯床下粘膜の緊張度 / 義歯床下粘膜の圧負担能 |
Research Abstract |
[目的]加齢に対応した総義歯補綴のありかたの検討を目的として、加齢に伴なう歯槽粘膜の変化を検討するために、歯槽堤の表面形態、歯槽粘膜の厚さ、緊張度、圧感覚閾値、圧負担能を、これらの計測方法を含めて検討してきた。しかし実際に多数の症例を分析するにあたり、粘膜の厚径計測には超音波断層撮像装置のディスプレーでなく写真撮影した断層像を用いる必要があるために、写真上での計測精度の検討を行うことにした。 [実験方法]使用した計測装置は松下技研株式会社製20MHz超音波断層撮像装置本体MG-DD62X12、超音波探触子MG-SS62X12である。精度検定のためターゲットとして直径0.3mmの円柱状の炭素棒11本を植立した較正用規格板を製作した。炭素棒の設定位置は超音波振動子の走査角を考慮し、振動子に近い第1列は走査角の中央およびその両側3mmの位置に1本ずつ植立した。第2列は第1列から3mmはなれた位置に、第3列は6mmはなれた位置にそれぞれ第1列と平行に4本ずつ植立した。計測にあたっては探触子と較正用規格板を水中に入れた。較正用規格板に対する探触子の設定は、ターゲットが超音波の断層面と垂直で、探触子の振り幅の中央の線が第1列と直交し、かつ中央のターゲットに一致するようにした。ターゲットと探触子との距離は0.5mmから0.5mm間隔で3.0mmまで変化させ、各々について断層像をB&Wフィルムに撮影しターゲット間18箇所の距離合計126箇所の距離を計測した。 [成績および考察]各列における右側の実測値と計測値の左右的な最大の誤差は、探触子から0.5〜1.5mmで10%、1.5〜3.5mmで7%および6.5〜7.5mmで8%であった。また、左側においては各列ともに最大の誤差は3%であった。今回使用した超音波断層撮像装置は以上のことを考慮し較正用チャートを使用することによって歯槽堤粘膜の厚径のみならず歯槽骨の形態計測も可能である。
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Research Products
(1 results)