1988 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼運動が顔面・歯肉に及ぼす影響-サーモグラフィを用いて-
Project/Area Number |
61480421
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Research Institution | NIHON UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山田 博 日本大学, 歯学部, 講師 (10158214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 栄行 日本大学, 歯学部, 助手 (20185862)
武井 謙司 日本大学, 歯学部, 助手 (90171602)
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Keywords | サーモグラフィー / 顔面 / 咀嚼運動 / 筋電図 |
Research Abstract |
咀嚼運動に伴う筋活動を把握する方法には従来より筋活動によって生ずる活動電位を筋電図形で計測する方法が主に用いられてきた。我々は非接触的に、広範囲に、視覚的に計測出来るサーモグラフィを用い、筋活動によって生ずる血流の上昇と筋代謝熱産生を顔面皮膚温を計測し、その温度変化によって咀嚼運動を把握することを試み、以下の成果を得た。 1.実験環境下で静止時経時的顔面皮膚温の変化は0.1〜0.2℃であった。 2.ガム咀嚼で10分間負荷をかけたところ、明らかに顔面皮膚温の上昇が認められた。 3.異常の結果から、再現性について検討したところ以下の結果を得た。 1)温度変化は個人差が大きかったが日差変動は個人では安定していた。日内変動では1回目の温度変化が2、3回目に比べて大きかった。 2)咀嚼運動開始から最高温度に達する時間は口角部の方が下顎角部に比べて早く、温度の変化量も大きい傾向にあり、また下顎角部が安定していた。 4.食品の物性による温度変化は白桃<豚肉<スルメのかたい順に高温度領域が多くなった。 5.硬さの異なる2種類のガムを被検食品とし、筋活動の評価としてEMGを使用し、サーモグラフィの測定結果と筋活動との関係を検討した。1)筋電図との比較から、サーモグラフィによる温度上昇の変化量は筋活動量の増加と同じ傾向を示した。 以上のように、咀嚼運動による筋活動によってもたらされると考えられる血流の変化及び代謝熱産生によって顔面領域にあらわれる温度変化をサーモグラフィで計測できた。
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Research Products
(1 results)