1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480428
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
帯刀 益夫 東大, 薬学部, 助教授 (10099971)
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Keywords | 赤血球分化 / エリトロポエチン / CFU-E / 分化の決定 / C-myc遺伝子 / src遺伝子 |
Research Abstract |
赤血球分化の制御機構を解明するため、試験管内で分化誘導可能なマウス赤白血病細胞を用い、分化の決定(コミットメント)過程を解析した。赤血球の分化においては、血液幹細胞から数回の分裂を経て、エリトロポエチン(EPO)依存の分化増殖を行なう前駆細胞(CFU-E)を経て成塾分化するが、我々は、赤白血病細胞(TSA8株)を誘導剤で処理すると、CFU-Eへと分化することを見出した。この分化誘導系で、EPO受容体合成が誘導されるかどうかを、結合実験により調べたところ、EPO受容体量は、分化誘導前後で、質的にも、量的にも変動が無いことが分った。よって、CFU-Eへの分化の決定には、EPO受容体の増加が重要ではなく、細胞内因子の誘導が重要であることが予想された。 この分化誘導系を用いて、分化の決定に関与する要因を調べた。この系にsrc遺伝子産物のリン酸化の特異的阻害剤であるハービマイシンを添加すると、EPO依存的コロニー形成(細胞増殖)は阻害されるが、ヘモグロビン合成で見た細胞分化の誘導は阻害されなかった。このことは、胎児肝より得た正常CFU-Eの分化増殖においても同様で、EPOが前駆細胞に惹き起す分化と増殖のシグナルは独立であり、増殖のシグナルは、src関連遺伝子の関与によっていることが示唆された。 赤白血病細胞分化誘導におけるC-myc遺伝子の関与を、誘導プロモーターに結合したC-myc遺伝子の導入により調べた。外から導入したC-myc遺伝子の発現を人為的にコントロールすると、分化誘導能を変えることができ、この分化誘導系に、C-myc遺伝子の発現の量、タイミングが重要であることを示した。 今後、上記の点を更に詳しく解析し、分化の決定の要因を解明してゆくつもりである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Mishina;T.Kato;A.Urabe;F.Takaku;S.Natori;M.Obinata: Develop.Growth & Different.28. 1-6 (1986)
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[Publications] H.Satow;S.Sakai;M.Obinata: J.Biochem.99. 1639-1643 (1986)
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[Publications] Y.Kobayashi;D.Miyamoto;M.Asada;M.Obinata;T.Osawa: J.Biochem.100. 727-733 (1986)
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[Publications] K.Kawamura;H.Satow;L.Do Ik;S.Sakai;T.Takada;M.Obinata: J.Biochem.101. 103-110 (1987)
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[Publications] I.Ishida;M.Obinata;T.Deguchi: J.Biol.Chem.
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[Publications] S.Takada,M.Obinata: Cell Differentiation.