1986 Fiscal Year Annual Research Report
変異原性ヌクレオチドによるDNA複製エラー誘導と新しい試験管内突然変異法の開発
Project/Area Number |
61480430
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
早津 彦哉 岡山大, 薬学部, 教授 (10012593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 和雄 岡山大学, 薬学部, 助手 (70116490)
綿矢 有佑 岡山大学, 薬学部, 助教授 (90127598)
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Keywords | 【N^4】ーアミノシチジン / 【N^4】ーアミノデオキシシチジン / 変異原性 / 複製エラー / 試験管内突然変異 / ONAシークエンス / M13ファージ / 金属イオン |
Research Abstract |
1.M13mp2ファージのin vitro突然変異の解析、大腸菌中で増殖中のファージM13mp2に【N^4】ーアミノシケジンを作用させると組込まれたβーガラクトシターゼ遺伝子に突然変異を引起こす。そこで、この変異を用いて【N^4】ーアミノシチジンにより、どの様な突然変異が引起こされるかを検討した。その結果、100ケの変異株を単離し、シークエンシングを行った。その内、71ケについて変位部位を決定した。そのいずれもが塩基対置換型変異である点はAmes試験の結果と一致した。さらに、A・T【←!→】G・Cというトランジション型の変異のみが観察された。これは、【N^4】ーアミノシチジンがデオキシリボヌクレオシドトリリン酸となり、DNAに取込まれ、その際、複製ユラーを引起こして、突然変異が起きるといえ我々のモデルとよく一致している。A・T→6・Cと6・C→A・Tとの比較では前者の方が多く、何ケ所かのHot Spotも見出された。現在、この点について考察を加えている。 2.動物細胞に対する【N^4】ーアミノシチジン、【N^4】ーアミノデオキシシチジン、および、そのアルキと置換体の作用。チャイニーズハムスターV79細胞に用い、6ーチオグアニン耐性を指標として変異原性を検索した。その結果、【N^4】ーアミノシチジンとN'ーメチルー【N^4】ーアミノシチジンに強い変異原性が検出された。デオキシ体には、ほとんど変異原活性がみられなかった。さらに【N^4】ーアミノシチジンが【N^4】ーアミノデオキシシチジンとしてONA中に取込まれることも証明した。【N^4】ーアミノシチジンはマウス由来のFM3A細胞に対しても変異原性が確認された。 3.【N^4】ーアミノシチジンと金属イオンCの相互作用。【N^4】ーアミノシトシン残基は種々の遷移金属イオンと複合体を形成することが分かった。そのうち、【Co^(++)】や【Mn^(++)】は【N^4】ーアミノシチジンに作用して化学変化を起こす。また、【Ni^(++)】は、変異原性を増強する。
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[Publications] Noriko Nitta: Eur.J.Biochemistry. 157. 427-432 (1986)
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[Publications] Mitsuko Takahashi: Biochemical and Biophysical Research Communications. 143. 104-109 (1987)
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[Publications] Akinori Nomura: Mutation Research.
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[Publications] Tadayoshi Besso: in preparation.
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[Publications] Mitsuko Takahashi: in preparation.
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[Publications] 根岸和雄: トキシコロジーフォーラム. 9. 428-439 (1986)