1986 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性高脂血症ウサギWHHLの心筋梗塞好発系の育成の関する研究
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61480436
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
渡辺 嘉雄 神戸大, 医学部, 助教授 (00031401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 徹 京都大学, 医学部, 助手 (60161460)
伊藤 隆 神戸大学, 医学部, 助手 (30135793)
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Keywords | WHHL rabbit / 冠状動脈粥状硬化 / 心筋梗塞 / 選抜交配 / コレステロール |
Research Abstract |
心筋梗塞好発系WHHL rabbitを開発するための基礎雄畜を、約700匹のWHHLの家系図,繁殖記録,剖検記録と、約300匹の保存心臓の病理組織標本の所見から選抜した。選抜条件に合致した種雄畜は僅かに2匹であった。そのうちの1匹は61年8月に死亡したが、この2匹による選抜交配によって第1世代(【F_1】)の産仔66匹を、また第2世代(【F_2】)の産仔39匹の合計105匹を生産した。この生産数は当初予定していた50匹の2倍に達した。さらに39匹の【F_2】の中から、戻し交配によって得た2匹の雄と、血中コレステロール値が850mg/dl以上の雄4匹(合計6匹)を、3世代(【F_3】)以後の生産のための基礎種雄畜として選抜した。 生産したF1のうち3月齢1匹,8月齢4匹,9月齢5匹,10月齢1匹の合計11匹を剖検し、基礎種畜の特性の継代状況を調べた。その結果、 1.冠状動脈疾患発生率は90.9%(10/11) 2.冠状動脈の50%以上の狭窄病変の発生率は63.6%(7/11) 3.冠状動脈の2枝以上の狭窄病変の発生率は63.6%(7/11)であった。 以上の成績から冠状動脈病変の発生率の向上、病変面積の拡大の面では、ほぼ予期した成績が得られた。 目標とした心筋梗塞の発生は認められず、また心電図所見との相関も明確ではなかった。この点については、 1.剖検した月齢が低月齢であったこと、 2.剖検した産仔はすべて第1世代(【F_1】)であったこと 3.繁殖能力の低下を防ぐために近親交配を避けたこと 等の理由が考えられる。選抜継代効果は第3世代(【F_3】)以後に現われるものと期待している。
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