1986 Fiscal Year Annual Research Report
カルモデュリンと薬物,オリゴペプチドとの複合体の結晶学的研究
Project/Area Number |
61480452
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯高 洋一 東大, 薬学部, 教授 (90012591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 久隆 東京都立大学, 理学部, 助教授 (80087163)
中村 和郎 東京大学, 薬学部, 助手 (00012675)
三井 幸雄 東京大学, 薬学部, 助手 (40012637)
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Keywords | X線解析 / 結晶学的研究 / カルモデュリン / 向精神薬 / オリゴペプチド |
Research Abstract |
(A)各種複合体の結晶化:結晶化の条件を適宜変化させて良質の結晶を得るべく努力した。例えば、母液のPHを下げること、ポリエチレングリコール8000を用いることにより、【Ca^(2+)】-CaM-トリフルオペラジンまたはクロルプロマジンの結晶は生成速度が早くなるかあるいは粒が大きくなるなどの効果があった。既に、【Ca^(2+)】-CaM-メリチン複合体の結晶化に成功しているが、メリチンあるはマストパランとCaMの複合体結晶について、ペプチドと【Ca^(2+)】-CaMとの1:1(モル比)複合体を後述のようにHPLCによって大量に分取してから従来法により結晶化するなど改良を加えている。 (B)【Ca^(2+)】-CaM-クロルプロマジン複合体結晶の重原子同型置換とX線構造解析:Soakingの条件等を確立した。【K_2】Pt【Cl_4】では0.2-0.5mM、Pb(【(CH-3C00)-2】では2-5mMで約2日間SoaKingした。格子定数はそれぞれ元の結晶とほとんど同じ、4【A!゜】分解能の回析強度データを集めた。構造因子の相対変化は13-14%程度であった。 (C)ペプチドと【Ca^(2+)】-CaMとの相互作用のCDスペクトルによる解折:マストパランT'-11とT'-14は30%-75%のTFE添加により新たに200-230nmに差スペクトルが観察された。 (D)イオン交換HPLCによる【Ca^(2+)】-CaM-ペプチド複合体の分離:メリチンと【Ca^(2+)】-CaMのモル比を0,0.4,0.8,1.7と変えて混合しDEAE-5PWカラムに添加してから0-0.4Mの食塩濃度直線勾配により溶出した。【Ca^(2+)】-CaMに対するメリチンの相対比を増すに従い、CaMの溶出位置より前に複合体が溶出された。複合体の確認は当該画分の一部分をPhenyl-5PW(RP)逆相カラムにかけ、20-50%TFAで溶出し、メリチンとCaMに分離することにより行った。
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[Publications] H.Kawasaki;H.Kasai;Y.Mitsui;Y.Iitaka.et al.: J.Biochem.97. 1815-1818 (1985)
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[Publications] Y.Mitsui;H.Kasai;Y.Iitaka et al.: Proc.Japan Acad.61B. 226-228 (1985)
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[Publications] Y.Mitsui;Y.Iitaka;H.Kasai et al.: J.Mal.Biol.186. 675-677 (1985)
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[Publications] 伊藤晋,三井幸雄,飯高洋一: 化学. 40. 622-623 (1985)