1987 Fiscal Year Annual Research Report
運動にともなう血中テストステロン濃度の減少を鋼発する条件の研究
Project/Area Number |
61480455
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田中 宏暁 福岡大学, 体育学部, 助教授 (00078544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 勝昭 福岡大学, 体育学部, 教授 (20090813)
田中 守 福岡大学, 体育学部, 講師 (00163577)
進藤 宗洋 福岡大学, 体育学部, 教授 (30078539)
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Keywords | 血清テストステロン / 性腺刺激ホルモン / エンドルフィン / 運動負荷 / 性格持性 |
Research Abstract |
本年度は, 一過性の"緊張""リラックス"と相反する心的状況を誘導し運動負荷に対するテストステロン(T)の反応の相違があるか否かの検討〔実験1〕,同一運動部に所属する上級生と過剰なストレスがかかっていると想定される新人部員の安静時Tおよび関連ホルモンの追跡研究〔実験2〕,パワートレーニングに伴うTおよび関連ホルモンの追跡研究〔実験3〕,競技選手と一般人の長期継続追跡研究〔実験4〕を行った. 〔実験1〕では 心的状況の誘導差は認められたものの, 運動負荷(50%VO_2max,3時間)中のT値の変化には有意な差が認められなかった. しかし, 運動負荷3時間目のT値はコントロールに比べて, いずれの条件でもT値が低い傾向を示した. これはエンドルフィンを介したLH分泌抑制に伴うT分泌抑制と推察された. 〔実験2〕では, 新入部員は上級生に比べてT値は有意に低かった. POMSテストの結果, "怒り"の項目に両群間で有意な差が認められ, 下級生に過剰の精神的ストレスが加わっているものと推察された. また部生活に慣れた12月には, 下級生のT値が上昇する傾向が認められた. この時のPOMSテストには両群間に差は認められなかった. さらに, T値とTSM1テストの中の緊張性不安の間に有意な逆相関(r=-0.54)が認められた. 以上, 〔実験1〕と〔実験2〕の結果から, 一過性の心的状況の変化はT値への影響は外ないが, 持続的な社会的, 環境的要因の変化に伴う心的状況の変化が, T値に影響を与えると推察された. 〔実験3〕では, Tおよび関連ホルモンに有意な変化はなかった. 〔実験4〕では, 2年次の追跡測定を終了した.
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